悪夢.4 ページ18
下僕時代、熱が出たら自分達で治すしか方法がなかった。幸い信には、漂がいた為一人ではなかったが、ある程度病状を見ただけで、どのくらいヤバイのか分かる。
信 「A…まずは体力を回復させねェーと。
ゆっくり休めよ」
A「ヤダ。寝たくない」
信 「…!!…何言ってんだ。
病人は寝るのが仕事なんだよ!」
A「絶対ヤダ…!ずっと起きてる!」
こんなに聞き分けない彼女は、
初めてかもしれない。
いつもは男顔負けに勇敢で、剣術も凄くて…
悔しいが、隊長としてきっと自分よりも優れている彼女。
だが、
今は子供のように我が儘を言って聞かない。
普段助けられてる事が多い分、彼女が甘えてくる姿に信はたまらなく嬉しくなった。
信 「たくっ
聞き分けのねぇーガキみたいなこと言って。
…なんでそんなに眠りたくないんだ?」
A「…っ!」
その理由を決してAから話すことはなかったが、蒙恬からある程度話は聞いていた。
龐煖と同じ力を身に宿すA。
武神の力を卸す羌瘣と違って、その身に宿すという事は、それなりの代償が身体にかかっているはずだと羌瘣も心配していた。
女の身で、俺たちよりも力がない分
身を犠牲にして武神の力を使うAに、自分は何も力になれてないと悔しくなって唇を噛む信。
たしかにAが居なかったら、あの場に介子坊を止めれた人間はおらず、白老が討たれていたかもしれない。
その代償に寝込んでしまったA。
自分が彼女にしてあげられるべき事を、信は必死で考えた。
信 「俺が……
Aにしてやれることはあるか?
本当だったら、変わってやりてェー所なんだが
そうもいかねーからよ」
急に真剣になるその表情が、自分の為と分かったのでAも弱々しく微笑んだ。
A「じゃあ…身体中…拭いてほしい。
気持ち悪いの…」
信 「おう!任せとけ!…(って、ええ?!
…いいのか?!)」
勢いよく了承したが、それって…そういう事だよな…と足りない頭で考える。いや、いかがわしい事などない!…これは看病なのだ!と布を水で絞ってAの着物を脱がせていく。
信 「…(すげー綺麗だ……)」
その真っ白な肌に目が釘付けになる。
サラシを巻いた胸以外を丁寧に拭き取っていく。
多少顔色も良くなってきたAに、
信もホッと安心した。
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イルカ - とっても面白いです!!続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます! (2020年11月11日 16時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます!明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね! (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの4?くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます!こっちか、外伝の方に書いてみますね! (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年10月6日 22時