月下美人の君.2

おまけ ページ32

野盗の残党処理も終わり、
皆に挨拶をして無事咸陽に帰ろうとする三人。

数日しか経ってないのに、
とても色濃い時間を過ごした。


帰り道…
それぞれの馬には、山の民からのお土産ということで、金銀財宝が積み上げられていた。

こんなに嬉しいことはないのだが…
徒歩で帰るには、中々長い道だった。


蒙恬 「それで？…俺が助けに行った時どうだった？」


A「もうだめかもって思った時に、恬の声が聞こえたの。……とってもカッコ良かったよ！」


蒙恬 「…………へぇー／／／」



A「王賁くんも後方の野盗達、一人でやっつけたの？…すっごい強いねっ！」


王賁 「…………／／／」

蒙恬 「…………………………(むぅ。)」


顔をプイっとそらした王賁と、逆に面白くない…と言わんばかりの蒙恬が対象的で、Aは笑った。


王賁 「…そもそも、野盗相手なら一人で十分だ」

蒙恬 「ええー。それは俺が作戦考えたからでしょ」

王賁 「あんな作戦、俺でも考えられる」


ほっておくとAを挟んで、また喧嘩が始まる。前までは、もう少し穏やかだったんだけど…。


A 「二人が助けてに来てくれて、
本当によかった。
…咸陽に帰ったら、なんでもお礼するね！」




蒙恬&王賁 ((…な、なんでもッッッ！！))




Aを好きだと自覚した二人は、脳内であんなことや、こんなことをモヤモヤと浮かべるのだった。


A「…(やっぱり甘いもの食べ放題かな)」


蒙恬「……じゃあ、一緒に寝よ」


王賁 「調子にのるな」


蒙恬 「……じゃあ、ちゅー」


王賁 「調子にのるな！」ドガッ



こうして賑やかに、三人は咸陽に帰ったのでした。

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