Breaking Dawn.9 ページ31
王賁「………そこまでにしておけ」
俺たちを背に守りながら、王賁が立っていた。
これまでのやり取りの間、敵から守ってくれていたのか。……なんだかんだ、優しいんだから。
Aのはだけた着物を元に戻して、横抱きにする。
おでこの流血もはやく治療してあげたい…。
A「……うわっ！」
力が弱くなているAを蒙恬はあっという間に、横抱きにして立ち上がる。
中央ではほぼ敵の制圧は完了していた。
異常なまでの敵・殲滅の速さは全身鎧の大男ーーーーA龍の仕業であった。
A龍「ワシの可愛い孫娘に何してくれとんじゃッー！」と怒涛の勢いで、数刻もしない内に野盗は壊滅した。
蒙恬はAを馬に乗せ、自分もその背に乗り、落とさないようにしっかりと抱きしめた。
それを見ていた王賁は…
王賁「………貸し一つだ。」
不満そうな顔で、馬を蹴って先に中央に行ってしまった。
✴
中央に向かうと、すでに楊端和と山の民の戦士たちがいた。
Aの姿を見るや否や、一斉に周りに集まり、特にタジフは仮面越しでも分かるくらい涙を流し、頭を下げた。
バジオウ 「…A。
タジフガ、Aハ娘ノ命ノ恩人ダト言ッテイル。
生涯コノ恩ヲ返シ続ケルト誓ウトモ…。
山ノ民ノ一人シテ私カラモオ礼ヲ言イタイ。
……アリガトウ。」
そう言ってバジオウが頭を下げると、
その場にいた山の民全員がAに頭を下げた。
ーーーこの光景には、
蒙恬も王賁も驚いて目を見開いた。
山の民と平地の民。
長年の両者の対立が嘘だったかのような
それを超越した瞬間だった。
近くに控えた楊端和は、Aに近づき優しく抱きしめる。
楊端和「…お前が無事で本当に良かった。
…A、お前はもう私の娘のようなものだ。
山界の王として、私からも改めて感謝をーーー。」
楊端和の美しい微笑みに、Aは顔を赤くしながらも、その腕のぬくもりに甘えた。
✴
その光景を見て、A龍は一人誇らしい思いでいっぱいだった。
A龍 「……A宝よ。
ワシらの孫娘は、
どの先代よりも偉大になるだろう……。
お前が夢見た平和を……
あの娘は叶えてくれるかもしれん……」
それは人知れず、A一族が再び、中華の名を刻むきっかけとなった大きな出来事だった。
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Breaking Dawn：夜明け
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とも(プロフ) - ついに信が出てきた！絡みが待ちきれません…！！楽しみです！ (2020年8月7日 21時) (
レス) id: 2ea7dae655 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - あさん» コメありがとうます。嬉しいです。一応原作沿いで行きたいので、まだまだ道のりが長いです…。笑 色んなお話計画しているので、よかったらお付き合いください。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - あさん» 私も蒙恬一番好きです。でも書いていると王賁も不思議と好きになってきます。色んなキャラと絡ませていきたいので、複数ENDになるかもです、お楽しみに。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - ののかさん» コメありがとうございます。更新みてくれて嬉しいです。お気づきかもしれませんが、更新後は誤字脱字も多いので、ちょこちょこ修正してます（笑）これからもお楽しみください。 (2020年8月5日 17時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 蒙恬と王賁が好きすぎる…！この小説の言葉使いが上手で感動してます！この回で蒙恬と結ばれたら、王賁と結ばれる小説も次書いていただけたら本当に幸せです！！頑張ってくださいずっと応援してます！投稿楽しみです！ (2020年8月5日 10時) (レス) id: 2ea7dae655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月2日 12時
