＊ ページ23
しばらくして志麻先輩が戻ってきた。
そして私に近づくなり手を掴んできた。
先輩の手は女性ぐらいに綺麗な手。
だけど、力はちゃんと男子だなって感じる。
…ちょっと痛い。
数分先輩に走らされて着いたのは
学校の中庭。
そう、つまりあの日と同じ場所。
「はぁはぁ…疲れた。なんですか?志麻先輩」
「いやぁ、二人だけで話したいななんて思ってん。」
なんで志麻先輩は一回一回かっこいい台詞を言うんだろうか。
多分今私の頬は真っ赤だろう。
泣いてたせいか、もしくは―先輩に惚れたか。
「改めて卒業おめでとうございます」
それを私が言うと志麻先輩は私の頭を撫でた。
「だから、二人っきりの時はタメといったやろ?」
やっぱりまだ慣れない。
幾ら先輩が好きでもタメ口でいいのかとか…
可能であればタメ口で話してもっと仲良くなりたい。
でもそれで他の人に余計目を点けられたら、って思うとちょっと怖くなったりする。
「私は…唯‐」
言い訳しようとした私の口を志麻先輩の口が塞ぐ。
「言い訳は彼氏兼先輩の志麻が許さへんから。」
もう…先輩のキャラが分からないよ…。
「そうだっ!」
「どうしたん?」
「二人っきりの卒業式、しません?」
「いいな!二人だけの卒業式かぁ。やろ。」
「じゃあ、決意表明とかやりましょっ!
私先生役で先輩の名前を呼びますから。」
「わかった」
「月崎志麻!」
「はい!Aと結婚してAを幸せにする!」
結婚!?
今、プロポーズされちゃった感じですか!
ヤバい…幸せ過ぎて…泣きそう。
「どうや、これ…ってAちゃんまた泣いてるし!!」
志麻先輩が私のポケットからハンカチを出して涙を拭いてくれる。
距離が…近い。緊張する。
「そんなに俺のために泣いてくれるとか嬉しすぎる。
俺ってやつは、幸せ者やなぁ!」
「先輩…私こそ、幸せ者ですよ」
照れながらも言い返してみる。
普段言えないからこそ、こういう場で言うのもまた緊張してしまう。
本当に今…幸せ。だけど…
志麻先輩は知らない。
この卒業式の本当の意図を―
私は泣き止むと、"本題"に入った。
いつまでもうかうかしていたら訊くのを忘れてしまいそうだったから。
「志麻先輩って浮気してますよね?」
「…え?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さそりんご@坂田家 - そしてそらうさぎ。さん、本当にありがとうございました。とてもいい勉強になりました。またコラボあったら一番最初に応募しますね！ww ありがとうございました！お疲れさまでした*´ω`* (2018年3月17日 22時) (
レス) id: 62ceed44b7 (このIDを非表示/違反報告)
さそりんご@坂田家 - わ、遅れてすいません。皆様本当にありがとうございました！！コラボ自体初めてで、とても緊張していましたが、皆様のお話が素晴らしく、感動しました。まだぺーぺーの私が豪華作者様に混じって書けたこと本当に嬉しく思います。ありがとうございました！！またいつか。 (2018年3月17日 22時) (レス) id: 62ceed44b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 皆様お疲れ様でございました！全員の読ませて頂きましたがとても面白かったです。企画者のそらうさぎ。様、それから参加している皆様、本当にお疲れ様でございました！ (2018年3月16日 17時) (レス) id: 1a6872b126 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - お疲れ様でした！！わたしがこんなすごい作品にかけるとは思っていませんでした！この作品を企画してくれたそらうさぎ。さん、そして参加していた人達、ありがとうございました！！また、こういう大型コラボが出来ましたらやりましょう！！ (2018年3月16日 17時) (レス) id: bc16703866 (このIDを非表示/違反報告)
冬華 - 「失礼」が２つあるのは変換ミスです。気にしないでください。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: 297afcde4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
