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ラウの為に作った曲は彼が本当に好きになってくれて、披露宴の時もその話をしてくれて、作曲家としては本当にうれしかった。
森さんにも好きな曲だと言ってもらえて、ラウがお世話になった挨拶をしに行ったときも、少しだけお話させてもらえた。
「雪村さんは本当にラウール君のことが好きなんだねって言ってもらえたよ」
『……あながち嘘でもないからね。』
「ふふ、俺らで半分こだもんね」
本当にうれしそうに笑うラウに私も小さく笑った。
デビュー当時にには考えられないような、私たちの距離感。
ファンにもダブルセンターを心配されるような仲だったのに、今では大切な相棒の一人なのだ。
「濱田君にももう、心配なんてさせないくらいにはなれたでしょ？」
『…もちろん』
デビュー前はダブルセンターを務めることに拒否感もあって、ラウも隣に私が立つことに不安を感じていた。
私たちの距離を埋めてくれたのは、かつての相棒である崇裕と、恩人であるしげのおかげ。
背中合わせだった崇裕とはまた違う、私たちなりの支え合いは、全部のことを半分こにしていくこと。
そうすることで、片方の負担を一緒に背負ってきた。
「また映画とかしたいなぁ」
『……その時は私がラウの曲を作るよ』
「ふふ、楽しみ！」
こんなに素直に自分の感情を出してくれるのは、見ているだけで気持ちがよかった。
目黒が、子供の様にはしゃぐラウールの餌食になり、私はそれを見てほっと息を零した。
久しぶりに大阪で仕事があり、その帰りに智洋と鉢合わせた。
アルバムとシングル両方を買ってくれたらしく、二人でカフェに寄ることにした。
「意外とAってこういう明るい曲の踊りってぎこちないねんなぁ」
『……あまりそういう曲を作ってこなかったし、なれてないから』
「少し前のラブリー系の奴もそうやったな」
Jr時代はSnowManになる前は崇裕と歌唱力で勝負することの方が多かったし、その前は浮いてしまうからステージに出させてもらった回数は他の人よりも圧倒的に少なかった。
SnowManになってからは彼らのダンススキルの高さを前面に出したくて、ダンスナンバーになるような曲の方が多かった。
「慣れればもっといい感じに踊れるようになると思うで」
『わかってる。練習するしかない』
昔からダンスで智洋に勝てたためしなどなくて、それが悔しいから、負けたくないと必死になれたのだ。
笑った智洋に悔しさを飲み込んでそっとコーヒーに口付けた。
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作者名：重岡優月 | 作成日時：2022年9月16日 14時
