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「あ、伊地知くん!」


遠目に伊地知くんの姿が見えたため走りながら声を掛けると、振り向き人の良さそうな笑みを浮かべた


「急なお休みでごめんなさい、ご迷惑掛けてしまって…」

「いいえ!とんでもないです!!…お母様の事は残念です…御愁傷様でした。体調は崩されてないですか?」


罰が悪そうに言う伊地知くん


「ふふ、大丈夫だよ…覚悟はしてたから」

「そう、ですか…」

「そうなんです!部屋まで一緒に行きましょう?ここ数日何か変更がないか教えてくれると有り難いな」


はい、と了承てくれた伊地知くんと肩を並べて事務室へと向かう

遠くから私たち2人を見詰めている視線には気付けるはずもなかった
















「どうしたのさ、そんなに山田太一のこと見て」


後ろから掛けられた声に顔だけ振り向くと、予想通りの人物が立っていた


「…なんだよ」

「……え、何?なんか荒れてない?」


昔の口調に戻ってる俺にギョっとした硝子が顔に驚きを浮かべ聞き返してくる

今はその小さな反応すら煩わしかった


「…聞いてねえのかよ」

「何が?」

「山田太一と別れた」


言うと先程とは比べ物にならないほど驚いた表情を浮かべる硝子


「……嘘でしょ?」

「何でこんな時に嘘いわなきゃなんねえんだよ」


苛立ちを抑えきれず手近な壁を蹴飛ばす

そんな俺を尻目に硝子は顎に手を当てて考え素振りをしている


「母親が亡くなったばかりだって言うのに…何かあったのかな」


死んだ…?


「いつ?!」

「はあ?知らなかったの?4日前だけど…」


4日前…

山田太一が自分に会いたいと連絡してきたのは2日前だ
その時には既に死んでたってことになる


もしかしたら自分に母親が死んだことを伝えようとしてたのか

もしそうなら傷心の山田太一が俺の浮気現場を見て別れを切り出したのに納得がいく


「前から聞きたかったんだけど、五条あんたさ…」


悶々と考える俺には興味ないとばかりに話しかける硝子は続ける


「浮気バレてないと思ってんの?」

「……」


遠慮なしのその言葉を受け止める精神力は今の俺にはなく、それはもうグッサリと胸に突き刺さった


「……気付かれてるのは…知ってる」


そう、知っていた


街中ですれ違った時も、

山田太一の誕生日もクリスマスも

任務がなかったとしても、気が向かなかったら口八丁手八丁で簡単に約束を反故にした

8→←6



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- わー!めっちゃすきです! (2021年3月13日 19時) (レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ!!ありがとうございます!(´▽`) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(;▽;) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ・`ω・´)キリッ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます!これからも欲望のまま書きなぐります!(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月17日 8時

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