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もうひとつある反対側のドアから現れた硝子は、腰に手を当てこっちを睨み付けている
「……邪魔すんな」
「果たして邪魔はどちらなんだろうな」
油断して弛んだ腕からすかさず逃げ出した山田太一は急いで硝子の方に向かう
２人で二言三言話した後、山田太一は俺を振り返ることなく部屋から出ていった
それを追おうと身体の向きを変えた俺を硝子が声を発し引き留める
「あんたに山田太一を追う資格があるの？」
「…いくら硝子でもこれ以上邪魔すんの許さないけど」
「追いかけてどうしたいの」
どうしたいのか、だって？
俺は硝子に向き直りハッと馬鹿にしたように鼻を鳴らした
「連れ戻すに決まってんだろ」
「だから連れ戻してどうするのかって話しだよ…あの子はもうあんたの恋人じゃない」
自分でも理解していた筈のその言葉にスッと全身の熱が引くのが分かった
「もういいじゃないか。あの子は１０年以上もあんたの幸せだけを考えて、願ってきた…そんなあの子がやっと自分の幸せを見付けようとしてるんだ」
どこか苦しそうに言う硝子
あまり口には出さないが硝子がずっと俺と山田太一の関係を心配していたことは知っている
主に山田太一の心配であるが
そして今、その心配が現実のものとなっている
「アタシもずっとその関係が続くと思ってたさ…でもあの子は気付いたんだ。自分があんたの唯一になりたいってことに」
「そんなの知ってたに決まってンだろ！」
「そうだろうね！！…だからもいいいでしょ、あの子はこの先もきっとアンタのことは忘れない。どんなに幸せになっても」
きっとふいに思い出す
何をしてても、俺のことを
続ける硝子の言葉に宛ら呪いの様だと思った
もしこの先自分が誰かを呪うことがあるのならば
それは恐らく山田太一なんだろう
呪って、呪って
俺しか見えないようにして
俺と山田太一しかいない世界にして
そうしたらあの笑顔も
これから山田太一に訪れる幸せも
全て俺だけに向く
「駄目だ…思い出させない、一瞬でも俺の事忘れるなんか許さない」
「歪んでるよ…」
俺の狂気めいた様子に怯んだように、しかし硝子は正直な思いを述べた
そんなのとうに知ってる
「じゃあ、どうしろと？…俺は絶対にこの先山田太一のことを壊す」
縛り付けて、誰の目にも触れられない様にして、誰もその瞳に映さないようにして
きっと俺が死ぬ時は、山田太一を呪い殺す時だ
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√ - わー！めっちゃすきです！ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ！！ありがとうございます！(´▽｀) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(；▽；) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ･`ω･´)ｷﾘｯ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！これからも欲望のまま書きなぐります！(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月17日 8時
