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違う、と初めて彼女に苛立ちを覚えた
こんな時まで他人の心配をしなくていい
自分を大切にしてくれ
ぐっと寄った私の眉間の皺にぴとっと山田太一さんの指が添えられる
『………何ですか』
『ふふ、すごい皺！』
無邪気に笑う彼女に「この人は…」と更に皺が寄る
『ありがとう、七海くん…』
『……』
『他の女の人と関係を持ってることは知ってるの…でも、私のことを思ってくれてることも知ってるんだあ』
『嫌じゃないんですか』
『うーん、嫌だねえ』
『だったら…ー』
『でも、たくさん背負ってる悟くんに私の全部をあげたいって思ったの。だから私じゃ足りないものを他の女性に求めることにどうしても怒れない…』
ああ、馬鹿だな…
『……それでは辛いままですよ』
『うん…、だから私が我慢できるまではあげられるものをたくさんあげるの。少しでも笑っていて欲しい』
馬鹿で
馬鹿で
『大好きなんだあ』
ーーなんて愛おしいんだろう
昔の懐かしい想起から浮上しはっとする
クソ…、と自分の遅咲きの淡い初恋まで思いだし罰が悪くなってしまった
「はぁ…お願いですから傷心に漬け込ませないで下さいよ」
１人呟いた言葉は誰に放ったものだったのかーー
▼
「…で、何で別れちゃったの」
「えー？」
某居酒屋でまるで尋問のように向かい合う私と硝子ちゃん
絶対逃げられない雰囲気である
「何だか説明が難しいな…」
「事細かに教えて」
「事細かに？！」
驚ながらも母との最期の会話を話した
悟くんとお別れした様子も
私は私の決めたことだから後悔はなかった
だから母や硝子ちゃん、七海くん達に心配させてしまっていることに気付いてはいたが深く慮ることもなく悟くんとの付き合いを続けてきた
だけど、それはあまりに自分勝手だったのだと
母の言葉で気付かされたのだ
「…私は…ずっと自分勝手だったの。悟くんに見返りを求めるつもりはなかったはずなのに、蓋を開けば結局全部欲しがって…」
言い終わると硝子ちゃんはそれは深い溜め息を吐いた
呆れられてしまったかしら、と俯くとポンと頭に手を乗せられた
「その選択ご良かったかなんて私には分からない。でも…私は嬉しい」
その言葉にばっと顔を上げると優しく微笑んでくらる硝子が目に入った
「山田太一が山田太一の幸せを考えてくれるのは…私にとっては嬉しいことさ」
「…っ、しょうこちゃぁ〜んっ」
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√ - わー！めっちゃすきです！ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 舳さん» 嬉しいっ！！ありがとうございます！(´▽｀) (2021年2月25日 19時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
舳(プロフ) - しんどい…語彙力失いましたとても好きですありがとうございますヽ(；▽；) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 1f83f3c66d (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - かのんさん» かのんさんの欲望の塊を楽しみにしてます((( ･`ω･´)ｷﾘｯ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 27e0c87bdc (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 神無月さん» コメントありがとうございます！これからも欲望のまま書きなぐります！(o≧▽゜)o (2021年2月21日 15時) (レス) id: 9c488eb26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かのん | 作成日時：2021年2月17日 8時
