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後ろから抱き締められたまま吐き出された言葉に最初に思ったことは「何を言ってるんだろう」だった




「冗談を言ってないでこの腕を離して下さい」

「……冗談?」


ぐっと私を抱き締める腕に更に力が籠る

先程の言葉も、今の行動も私には何一つ理解出来なかった



「…五条さん…?」

「悟」

「……」


恐らく言い直せということだろう
理由は先程の説明したばかりだというのに

しかし今優先すべきは目の前の大きい子供の冗談ではなく伊地知さんだ
経緯は良く分からなが、悟が無理を言って困らせてしまっているということだけは分かる

乗車中の表情からも何か口止め、もしくは片棒を担がされている可能性が高い


「これから伊地知さんへ連絡するので退けて下さい」

「……」

「私に任務の依頼がないのは、もしかして五条さんがが手を回してたんですか?」

「……そうだって言ったら?」


わざと耳に息が掛かるように返事をする悟

どんな表情をしているかまでは分からない

任務が回らないようにしたり先程の冗談といい、それ程私のことを煩わしいと思っているのか



「そんなに不愉快なら地方に移ります。…ですがあまり生活に余裕がないので少し待って欲しいです」

「……は?」

「それまでは周囲を彷徨くこともあるかもしれませんがご容赦い」

「なんでそうなンだよ」


何故か低くなった声に返事をしようとするが、一層腕の力を込められて「うっ」と呻き声を出すのがやっとだった

雰囲気からも怒りの感情が伝わってきて、待って貰うようにお願いしたのが気に触ったのだろうか、と予測立てる


「や、めて…、くださいっ…苦しいっ」


息も絶え絶えに言うと若干腕の力が弱められ新鮮な空気を呼吸を荒くして吸い込む


呪霊と戦って死ぬ前にこの人に殺されるんじゃないだろうか…

呼吸を整えながらそんなことを思った




「冗談でも嘘でもない…そりゃ最初は花子の言う通り瑞季の為だったけど…。都合のいい話しだってのは分かってる…でも、やっと気付いたんだ…俺は花子のこと好きだったんだって」



「……はあ、そうですか」


「…………オマエ…ちっとも信じてねぇだろーが」


「はい、全く」



ぐわっと苦しい程の呪力が悟から洩れだし、そこに怒りという感情が伴っていることは理解できるが……好きという感情は全く分からず


あんなに望んでいた言葉なのに驚くほど気持ちは凪いでいた



何が信じれるの

今更

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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