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花子と瑞季が会話をしてるのを殆んど見たことがなかった

自分は兄弟がいないから解らない
そんなものなのかなとも思ったが、高専時代に一度瑞季に聞いたことがある


『うーん、よく分からないけど家族からは花子とあまり関わらないように言われてるのよ。だから数える程しか話したことがないの』


その時は、ふーん、と他人事のように思っていた

家の事情なんかそれぞれだ
特にこの呪術界では


しかし今になって思う


どうして花子は家族の枠に入らないんだろうか、と



以前呼ばれた瑞季の結婚式ですら、花子は親族の誰とも会話をしていなかった

その時の僕はそれについて言及することもなかったし、なんなら少し面倒臭いなとすら思っていた

何か聞いてあげなきゃいけないのかな、と


しかし結局何も聞かず、花子も話すことはなく結婚式は滞りなく終了した




「…………はぁ」


思わずしゃがみ込んだ僕はそのまま項垂れた


『修復不可能』


硝子のメッセージが頭を過り、正しくそれだなと遠い目をした

修復なんてできたもんじゃない

元より僕と花子の関係は一方的な花子の努力で賄われていたようなものだ


…花子の僕に対する推測は殆んど合っている


僕は自分の中で瑞季が結婚し実家からの横槍なく幸せになるまでは花子といようと思っていた

しかし、結婚後もまだ横槍があるかもしれないとズルズルと花子との関係を続けた


それに終止符を打ったのは花子


…そして、切っ掛けを作ったのは自分だ



ふとあの時花子を振り払った自分の手が目に入りガクリともう一度項垂れる




「いいじゃないの。花子だって漸く悟と別れて心機一転しようとしてんだろ?悟も悟で目的達成…元々そのつもりだったんでしょ?」


『悟も…そのつもりだったでしょう?』




硝子の言葉に一週間前話した時の花子がダブる


そのつもりだった


…そのつもりだったんだ





『おかえりなさい、怪我してない?』


『悟は以外と甘えん坊だね』







『今までありがとう、幸せだったよ』





なあ…オマエは本当はどんな気持ちだった

どんな気持ちで、幸せだったと言ったんだ






「悟が花子を気にする理由はなに。…それが罪悪感からくるものならもう関わるべきじゃない」


書類と向き合いながら硝子が僕に言った
しかし目で文字を追っているわけではなく、意識はこちらを向いている…そして思い返すように目を閉じた


「多分あの子はそんなもん望んじゃいないさ」

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ksbgtenmushi(プロフ) - すごく好きな作品でいつも続き楽しみにしてます!!是非続編のパスワード教えていただきたいです(o^^o) (2021年5月1日 1時) (レス) id: e9d7731bcb (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 1f3621aec0 (このIDを非表示/違反報告)
雪椿(プロフ) - いつも楽しみにしています。続編のパスワードが解けるその日を心待ちにしてます(*^^*)応援してます! (2021年4月26日 22時) (レス) id: e95a52c7d4 (このIDを非表示/違反報告)
noenatsu(プロフ) - 続きがきになります!パスワードを教えて頂きたいです! (2021年4月26日 22時) (レス) id: a7d2cd1144 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続編も楽しみにしていました! パスワードを教えていただけないでしょうか? (2021年4月26日 20時) (レス) id: 947d5e398f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かのん | 作成日時:2021年2月26日 0時

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