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＊
もう前にいますって言えなくて、ちょっとだけコンビニで時間を潰してから大橋さんに連絡すると、
「Aちゃーん！」
ぶんぶん手を振りながら大橋さんが走ってきた。
あっという間に研究室の前まで連れていかれる。
「開けたって！びっくりするやろから」
「え？」
「大ちゃんにAちゃん連れてくるって言うてへんもん」
大橋さんはにこにこ笑いながらなぜかテンションが高い。
「お邪魔しまーす…」
そっとドアを開けると、真っ白なタートルネックに黒縁眼鏡をかけた黒髪が振り返った。
「A？」
お土産っぽい箱を持ったまま、目を見開く大吾さんに
「連れて来ちゃったー！いっぱいあるからAちゃんにもあげよーと思って！」
大橋さんが駆け寄っていく。
「別にええけど。A、いっつもはっすんがごめんな」
困ったように笑う久しぶりに見た大吾さんは
至っていつも通りで。
むしろ、服装と眼鏡のせいか大人っぽくみえて、そんなに落ち着いてるとわたしだけが会いたかったみたいでなんか悔しい。
って何と戦ってるんや。
「どこ行ってたんですかー？」
そっと目をそらして、机いっぱいに広げられてるお土産に近寄りながらきいてみる。
「ヨーロッパらへん。やけど時差ボケでかなわんわ。なんかよく考えやんと買いすぎたから好きなん持ってってええよ」
大吾さんは目をこすりながら、大量のお土産を指差した。
「大ちゃーん！じゃぁこれもらいまーす！」
大橋さんはいつのまにかもぐもぐ口を動かしながら、チョコレートを手に取る。
「はっすんはさっきから、食い過ぎ」
笑いながら大吾さんがそっと渡してくれたチョコレートを受け取る。
「それ、おいしいで。A、髪染めた？」
「はい。一応就活生なんで」
「せやったな。うまくいってんの？」
「まぁまぁ…です」
チョコの包み紙をはがしながら答えると
「大変やと思うけどがんばれよ」
大吾さんはにっと笑うと、自分もお土産に手を伸ばした。
口に含むとゆっくり溶けていくチョコレートは甘くて…少し苦い。
「卒論とやらは終わったんですか？」
「なんとかー。あとは卒業するだけやな。あー、学生終わんのつらー」
大吾さんはうーんとのびをして、
「ほんまそれなー！無理無理！」
大橋さんは変わらずもぐもぐしながら回転椅子に座ってくるくる回ってる。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
