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2月も半ば。今日は大吾さんの送別会。
みんなで近くの居酒屋に向かう道で、大吾さんはすっとわたしに近づいてきた。
なぜか誕生日の日から全然シフトが被らなくて、久しぶりに顔見た気がする。
「詩織ちゃんとはまだつきあってることになってるからその感じでよろしく」
「そうなんですか？」
「俺もうやめるし、店長に聞かれたらめんどくさいから隠しとこってことになってる」
「はーい」
ちょっと前を歩く詩織ちゃん。
ブルーの上品なコートがよく似合ってる。
お店に着くと、わたしがあんまり面識のない人たちとも大吾さんは親しげに話してて、バイトリーダーのコミュ力おそるべしって感じ。
「高校生のとき、よく来てたあのギターの子は最近こーへんの？」
いい感じにお酒の回った店長は、大吾さんの前に座ってそう質問した。
正門さんの…ことかな…？
「そうっすねー。ってもう何年前の話っすか。もう22っすよ」
少し離れた席で、せっかく耳をそばだてたのに、大吾さんはパッと話を切り上げる。
「それにしても大吾にこんなかわいい彼女できるとはなー。詩織ちゃんおいでやー」
詩織ちゃんは顔色ひとつ変えずに大吾さんの隣に座る。
「ほんまにかわいいよなぁ。ええなぁ。ずるいわ大吾」
店長はにこにこ笑いながら、詩織ちゃんのグラスにお酒を注ぐ。
詩織ちゃんは苦笑いして、両手でぎゅっとグラスを握りしめた。
「こいつあんまり飲めないんっすよー」
大吾さんは自然に詩織ちゃんのグラスを引き寄せると、そっと烏龍茶を注文した。
「大吾にそう言われたらかなわんなぁ」
大吾さんは詩織ちゃんに届いた烏龍茶を渡して、笑いながらなんか小声で話してる。
何、話してるんやろ…
胸がきゅっと痛い。
別にわたしにだけ優しいわけじゃないんやんな。
って…大吾さんは自分のものじゃないのに、何考えてるんやろ。
わたしはそっと目をそらして、お手洗いに立った。
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Bear(プロフ) - 最後に涙腺が崩壊しました。こんなに最高な作品にはしばらく会えなそうです (2021年12月14日 22時) (
レス) @page45 id: 3daf0f2645 (このIDを非表示/違反報告)
むたむた - どんでん返しに泣きました。夜通し読んじゃいました。ステキな作品をありがとうございます！！！ (2021年6月3日 4時) (レス) id: 738b505511 (このIDを非表示/違反報告)
林芽亜里 - 一気に完結まで読み尽してしました！！もう素晴らしすぎて(*´∇｀*)最初は、正門くんとハッピーエンドを迎えると思っていたけど、大吾くんと最終的に結ばれて、思ってもいない展開でビックリしました(^｡^)幸せな時間をありがとうございました(#^.^#) (2020年5月27日 22時) (レス) id: 9f77b0a91a (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - もう最高でした！！大好きなまさにしのお話ってだけでも嬉しかったのにこんな素敵なお話、もう最高すぎました！この作品の大ファンになりました！！楽しい時間をありがとう！また書く機会があったら楽しみにしてます！！ありがとうございました！！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: db8a594314 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 初めは正門くんとエンド迎えるんかなって思ってたんですけど最後西畑くんと幸せになっててびっくりとよかったなって涙出ました！！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華音 | 作成日時：2019年5月16日 22時
