112.知らない話 ページ12
<影山side>
壁と自分のあいだを抜けていったAをなんで逃げられたんだ?と首を傾げて残りのぐんぐん牛乳を飲み干す。
夏休み最初の合宿、バレー部の臨時マネージャーをやってくれたAだが、ほんの1週間で辞めてしまった。
なんで急に?とは思ったが、山口に「まぁ本来はカメラ部だしね。向こうには向こうの生活があるんじゃない」と言われ納得した。
正直、あいつの撮る写真は綺麗だし、見やすいし、練習のためになる。だから、やめてしまうのは勿体ないと思った。
それに、練習の最中に見たAの写真を撮る生き生きした姿を見ていたかった。俺や、ほかのチームメイトのためにサポートしてくれていたAの姿を見て、不思議と元気をもらっていた。
だからだろうか。
あいつが臨時マネージャーを辞めた後の夏休み練習ではなんだか少しぽっかり穴が空いた心地がしていた。勿論気を抜くなんてことは有り得ないからそんなことは無かったけれど、休憩時間にあの日向にですらぼーっとしてんなと言われた日もあった。
夏休み明け、Aに話しかけてみるが、なんだか様子がおかしい。
合宿最終日にもあったが、俺が話しかける度に逃げていってしまう。
…俺何かしたか?
本人に聞こうと思うが、話しかけると早々に逃げてしまうのでまともに話すことも出来なかった。でもなんだか話せないのは嫌で話せそうな機会を見つけてはAのもとにいった。
だけれど一週間以上まともに話を聞いて貰えずさすがにムカついてきた俺は、Aと仲のいい……あー…確か安藤、に話をした。
「Aね〜うんうん。さすがにこっちも見てて影山が可哀想に思えてくるからこっちから何か言っておくよ」
と言った安藤。しかし、俺がその話をした翌日からもAの態度は変わらず。俺が話しかけるとすぐに逃げていってしまう。
バレーは順調。約1ヶ月後に迫った春高代表決定戦に向けて、新しい速攻だって決定率が上がってきている。チームの雰囲気も上々だ。
だけど、何かが足りない。俺は、あいつにバレーをみてもらいたいのか?それとも話したい…?よく分からない。だけど、何かが欠けている気がする。
菅「あっ、影山じゃ〜ん。ってなにそんな険しい顔して歩いてんだよ〜」
影「菅原さん、チッス。」
会って早々肩を組んできた菅原さんは何かを察したように先輩が話を聞いてやる!と笑った。
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あまね(プロフ) - あっすき!! (2月23日 19時) (レス) @page16 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - うわめっちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年5月13日 19時) (レス) id: e27de575a2 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 影山好きすぎる〜っっっ更新楽しみにしてます泣いつまでも待っております!!泣 (2020年5月6日 19時) (レス) id: 5973ca5896 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - えっえっ更新しないのですかっ!もどかしい〜〜〜〜 (2020年4月7日 1時) (レス) id: 9cd1e2c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
ねうさぎ(プロフ) - きゃーーことりん読んでくれたの照れちゃう!!ありがとう頑張る! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 73373523e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねうさぎ | 作成日時:2019年9月8日 20時