1ヶ月に1度、彼女は手紙となって帰ってくる。

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俺はこの間と同じ便箋を手に取りペンを走らせる。

今回は何も悩むことはなく、思うままに全てを書き連ねた。



〚Aへ

返事ありがとう。
しかも小説進んでるんだって？

俺、すっげえ楽しみにしてるよ。
きっと誰よりも楽しみにしてる自信ある。

俺はずっと変わらない生活送ってる。
サッカー見て飯食って映画見て実況撮って寝ての繰り返し

どれもAと一緒だった時の方が楽しかったけど！

Aの夢が叶ったらまた一緒に住みたい。
俺、大好きだから。Aのこと。

困ったことあったらいつでも言って

また返事待ってる。キヨより。〛



書き終わった手紙は随分と詩的になってしまった。きっと、小説家である彼女に影響されている。


…Aもこんな感じなのだろうか。
俺からの手紙が来たら嬉しくて、喜びながら文字を書き連ねているのだろうか。


「そうだったら…いいな、」


勝手に気持ちを浮かせながら俺は書いた手紙をポストに入れに行った。



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.


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あれからまた時間が過ぎていった。

でも俺は気落ちなどしていなかった。
手紙の最後に“また送る”と書かれていたから。


こんなこと考えてるなんて、重いだろうか。


でも…重いと言われたとしても、考えないのは無理だ。好きだから、自然と考えてしまう。


Aの手紙を楽しみに当たり前の日をすごしていたある日。郵便受けに何かが入る音がした。


俺は浮き足立ちながら玄関へ向かいそれを取る。



─────Aからの手紙だった。



ちょうど前回の手紙から1ヶ月経った日の事だった。

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