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それから俺はちょっとあの子のことを考えながら図書館へ向かった。
そしたら案の定同じ席に彼女はいて。
今更だが、と軽く自己紹介を互いにした後に原稿を数枚渡された。びっしりと黒い文字で埋められたそれ。
活字物はなかなか読まない俺は少し躊躇したが、後に引ける訳もなくそれを読んでいった。
「…これ、この間俺が手にとったやつ?」
最後まで読んだ末にそう聞いてみると、Aは首を横に振った。
『これは違う作品です。この間のは、まだ完結するつもりないので…!』
「そうなんだ。ていうかこの小説…ヒューマンドラマ?っていうの。すげえ面白いね」
恋愛小説や動物の家族愛を書きそうだと勝手に想像したが裏切られた。ばちばちのヒューマンドラマで人間の汚い部分、また時に見せる人間の愛おしくなる部分が詳細にえがかれていた。
この続きはあるのか。と気になるほどにおもしろい。
『本当ですか?ありがとうございます…!』
「もうプロデビューできるレベルだと思っちゃうけど…。この世界ってそんなに簡単なものじゃないとは思うし、全く無知の俺が言うのもなんだけどさ」
『そう言って貰えて嬉しいです!清川さんが第一の読者でよかった。こんな嬉しいこと言ってもらえて…』
Aは嬉しそうに可愛らしく笑った。
不意に心打たれたのを鮮明に覚えている。
「キヨ、でいいよ。それに敬語なんて使わくていいから、そんな歳変わんないし」
『…キヨ、…くん!分かった。これからも小説の感想聞いてもいいかな』
「もちろん!また読ませて」
はたから見たら俺らのこの様子がまるで…小説の1部みたいなのかな。なんて思ってその時はドキドキした記憶がある。
あの時Aが書いたヒューマンドラマの小説原稿は今でも封筒の中に眠りながら俺の家に置いてある。表にはAの住所も、どこかへの送り先も書かれていた。
『小説の世界は、厳しいね』
付き合った後に聞いたAの小説にはあまり見ないストレートな台詞。A自身の言葉。
……今、思い出すようなものでもなかったか。
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さんご(プロフ) - パイナップルさん» うれしすぎます、、!なかなか更新出来ずすみません😭 (4月28日 22時) (レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル - このお話好きすぎる!お話作るのうますぎて尊敬しかないです( ^ω^ ) (2023年4月15日 15時) (レス) id: 37ab8ed271 (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - ななさん» 私の小説がななさんの目に止まってよかった😭すごくうれしいです、、!今回の小説は特に情景描写を事細かに書くのを意識してます。こちらこそこれからもよろしくお願いします! (2022年7月24日 9時) (レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 主様の小説いつも楽しく拝見しております!設定や表現などどこか切ない部分がたまりませんね……!これからも応援してます! (2022年7月23日 16時) (レス) @page2 id: e76489caef (このIDを非表示/違反報告)
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