____…第21話…____ ページ21
その時、俺の視界から、つわはすさんが消えた。
え?驚いて固まっていたが、理解出来た。キヨが、つわはすさんを殴り飛ばしたのだ。
そして、俺とヒラの方を向いて、大声で指示する。
「おいヒラ!!お前はAを探せ!!つわはすくんとクソ眼鏡は、俺とフジがなんとかするから!!」
このままでは、ここにいる全員が、怒り狂ったヒラに殺されると考えたのだろう。
ヒラには、ここにいず、緑川さんを探させた方が、犠牲者は減る。
…え!?俺がなんとかするの!?
「…よろしくね〜。」
コクッと頷いて手を振ったヒラは、廊下の奥へ走って消えていった。
やっぱり、普段はアホみたいな奴だけど、いざとなったら、頼れるのはいつもキヨ。
部屋に残った四人。
ゆらぁっと立ち上がったつわはすさんは、口を手の甲で拭い、怒りに満ちた笑顔で、執事服の上着を脱いだ。
ネクタイを乱暴に緩め、明らかな戦闘体制に入る。
そして、笑顔のままのつわはすさんが取り出したのは
…………拳銃!?
「いきなり隙をついて殴り飛ばすとは、卑怯ですね。キヨさん。」
「え?どこがだ?」
キヨが言い終わる前に、両手の銃を乱射した。
窓ガラスが割れ、破片が飛び散る。壁は、大量の弾の跡。
これにはキヨも驚いたようで、素早くヒラの走って行った方へ逃げた。
つわはすさんは、両手の拳銃をクルクルと回し、キヨを追いかけて行った。
マズイ。キヨを助けないと。
右足に力を入れ、踏み出したその時、横から、ニッコリ笑った男が現れた。
「フジくんの相手は僕でーす。」
ヤバッ、避けないと……でも、走り出したら、止まらない。
不敵に笑う眼鏡は、ポケットに手を突っ込んだまま、空中でくるんっと一回転し、俺を蹴り飛ばした。
白い壁に叩きつけられ、一瞬意識が飛びそうになる。
「…飛び回し後ろ蹴り………お前、空手でもやっていたのか?」
「空手ー?いやいや、やったことない。僕、体力も力も無いからさー。」
嘘つけ。体力は知らないけれど、こいつの足のキック力は、もはや人間じゃない。
成人した男を、こう何回も遠くへ蹴り飛ばせるわけがない。
足が凶器だ。
すると眼鏡は、「お?」とニヤニヤする。
「つわはすさんの真似?」
「別に真似じゃない。これは、執事が本気を出すときの行動だよ。覚えておいて。」
つわはすさんが脱ぎ捨てて行った上着の上に、自分の上着を投げ捨てた。
そして、締めていたネクタイを緩める。
「かぁっこいい〜」
ヒューと口笛を吹く眼鏡。
…腹立つ。
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あみ - 本編最高すぎてこちらも読ませていただきましたが、、、いや本当に神です以上！！(?)本当に好みというかなんというか。ヒ.ジ.キ.の小説で一番好きかもしれません。こ.ーす.け.をのけ者扱いにしているような小説が多いイメージがあったので。この小説が本当大好きです！ (2021年7月25日 14時) (
レス) id: 2c5fd51ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - すごく、すごく良かったですっっっっっ...！(大号泣) (2019年11月22日 7時) (レス) id: 7c0d6b05b3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで@utaitelove(プロフ) - もう最高です…！！感動したと思ったら次はキュンキュンしてほんと私の心臓どうしてくれるんですか！影葉さん最高です( ；∀；)他の作品も全部読ませて頂きましたがほんとに天才ですね！？これからも頑張ってください (2019年1月1日 21時) (レス) id: a0615ac09b (このIDを非表示/違反報告)
アンジ* - 今になってもずっと読んでます！狂った国の王子様、こーすけが出てきたシーンで大号泣してしまいました。番外編、ぜひ読みたいです！影葉さん、感動をありがとうございました！ (2018年8月20日 20時) (レス) id: a0d4f82c90 (このIDを非表示/違反報告)
夜猫 - ヒラ可愛い！死にそう！ (2018年2月3日 5時) (レス) id: c27b932811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影葉
| 作成日時：2015年12月5日 14時
