北山さんとyummy!な関係

会社の後輩 ページ2

「はぁー…」





こんな重苦しい溜息を


今日で何回ついたか分からない









2年付き合ってた隼人から

別れようって連絡がきて4日が経った









私ももう20代後半で


このまま隼人と結婚するのかなぁなんて


思ってたのに急に告げられた別れ









連絡がきたその日はショックすぎて

友達のさやかの家に泣きながら押しかけて

4時間も話を聞いてもらった








ほんとさやかに申し訳ないことしたなぁ






なんて反省してると








私の前にコトッて音を立てて置かれたマグカップ








びっくりして顔を上げると








「お疲れ様です」








ってふわっと笑う北山くんがいた









北山くんは会社の後輩で


私が指導係を担当してる








第一印象は小柄で目がくりくりしてて

かわいいって感じなのに





喋ってみると少しチャラくて女慣れしてる感じで

そのギャップがとても良いらしく


社内でも女性社員からの人気者









私的には熱心に仕事に取り組んでくれてるだけで
もう十分だけど…









コーヒーを入れてくれた北山くんに


ありがとって言ってまたパソコンに向き合うと









「最近Aさんため息ばっかですね」








そう言って私の横のデスクに座った北山くん









「そうだよね、自分でも分かってるんだけど…」









「そんなにため息ばっかついてると、せっかくの幸せも逃げちゃいますよ」









っていたずらな顔で言った北山くん







隼人のこと、たくさん泣いたから


少しは吹っ切れたと思ってたけど



全然だめだったみたい







「……もう幸せ逃げちゃった」









隼人のこと考えたら

涙が出そうになって

泣きそうな顔なんて見られたくないから





無理して笑ってそう言った









「俺Aさんのそんな顔見たくない」








いつもより低くて掠れた声でそう言われたと思ったら









ふわっと北山くんの香りに包まれた









「…！」








突然のことで頭が上手く回らない私に








「泣きたいなら泣いていいよ」






私のことを両手でぎゅーって抱きしめながら

すっごく優しい声でそう言ってくるから









「…っうぅー……」









目にいっぱい溜めてた涙が一気に溢れ出した

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