love train (ページ37)

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大我くんは屈んで私の下駄を見てため息をつく

「やっぱり、靴擦れしてる」

『あはは、バレちゃった。でも痛くないから大丈夫！』

本当はかなり痛いし、長距離歩いたおかげで傷もひどくなった

「ごめんね、こんなに痛そうなのにたくさん歩かせちゃって。」

妹を宥めるかのように私の頭をポンポンする

そんなことをされたら、単純な私の大我くんへの気持ちなんてすぐに大きくなるんだから

"もう友達でしょ？気張らなくていいんだよ？"

そう呟く大我くん

友達って言葉、ずるい。

『友達にこんなに優しくしなくていいの。』

「それに女の子に優しくするのは当たり前でしょ？」

そう言うと、靴を選び出す大我くん

『ねえ大我くん、』

「なに？痛い？」

違う、心が痛い

"女の子の友達"

その先は、？

『なんでもない、』

「なんだよ笑」

ほら、と大我くんは靴を見せてくる

「履いてみて？」

椅子に座らされて、スニーカーを大我くんが履かせてくれる

『なんかシンデレラみたい』

思わず口に出た言葉にはっとする

「可愛いこというじゃん」

そう言って目を細めて微笑む大我くんに何度目かの恋をした

「これはどう？」

おそらく1番高いスニーカー

大我くんが履かせてくれるものはどれも値段が高い

『私そんなお金持ってきてないから安いのがいいんだけど、、、』

「俺からのプレゼントだから気にしないで」
『プレゼントなんてそんな、！』

私の言葉に見向きもしないで

うん、これがいいかな？

と大我くんが嬉しそうに言ってくるから、つられて頷く。

『ありがとう、大我くん』

「いいのいいの、これで充分に楽しめるね」

そう言って会場に向かう

さっきまで熱を持っていた手首はもう冷めていて

大我くんと私の現実的な距離を突きつけられたようだった

彼女なら、また手を繋いでくれたんだろうな

いや、大我くんの幼なじみなら。

想いが溢れそうになった瞬間、一発目の花火が上がる

『大我くん、好き』