love train (ページ22)

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あれからジェシーにはよく話しかけられ、割と仲良くなった。

「Aちゃーん、good morning！」

『ぐっともーにんぐしぇしー。ここ日本なんだけど？』

「発音違う！もっとネイティブに！」

私の専属ALTジェシー先生

『ジェシーせんせ、うるさい♡』

「oh! sorry.... AHAHA！！」

慎太郎レベルにうるさい

それでも、偽りのない笑顔を見せられると、どうしても避けることなんてできなくて

むしろ一緒にいて楽しいから

『て、もうこんな時間！HR送れるって！』

「また昼休み会いにいくね～」

廊下を走ると汗がにじむ

セミの鳴く声を鼓膜が感じとる

『もう夏か、、、』

桜色の春が過ぎ、真っ青な夏が始まろうとしている

「なんか暑くなってきたね～、」

パタパタと下敷きで顔をあおぐななこ

『勝手な偏見だけどさ、夏っていろいろ始まりそうじゃない？』

「それ漫画の読み過ぎ笑でもわかる～」

少女漫画のあるあるな展開について2人で盛り上がっている所に、いわゆるイツメンの2人が寄ってくる

「みんなで花火とか海行きたくない？」

「おお樹それいい！俺さんせー」

2人で会話しているようで、目線はバッチリこちらに向けている

アピールの仕方が露骨だ

『いいよ、行こうか笑』

ななこにも確認するように目線を送ると、罰が悪そうな顔をしている

「それいい！んだけど.... 花火大会、先約あってさ。ごめん！」

目を泳がせながら少し恥ずかしそうに言うななこ

好きな人と行くんだな、って直感的に思った

「えーーー、ななこ一緒じゃないなら俺行かねー」

樹はこんなにも好意むき出しなのに、まったく動じないななこに少し尊敬したり、

「3人、、あ、4人で行けば？ジェシーくんと一緒に」

「ちょっとまってななこ、それじゃAがとられるじゃん！」

慎太郎もムキになる

「えー、花火大会？俺もうAちゃんと行くって決めてたから確定だ！」

噂をすれば本人が来るというのは割と本当だったりする。

『いやジェシーとそんな約束してないし！』

「俺の中ではしてたから、行く！」

本当は2人のつもりだったんだけど...

なんて言うジェシーに、慎太郎が絶対俺も行く、と対抗心を燃やし始める

『でも私ななこいないの嫌だから、みんなで行くのは海にしない？』

本当は、京本さんを誘う勇気が出そうになっているから

夏の熱気に背中を押されて