∞子ども病院 11

かまってほしい。赤《リク》 ページ44

安田サイド





…ぼふっ



安「うわぁ！だれー？」



廊下を歩いていると、誰かにぼふっと背中に抱きつかれた。


ちょうどこのお部屋やし、この身長ということは…



安「あー！やっぱりしぶやん！」


す「ひひっ♪」


安「お部屋から出ちゃってええのー？」


す「だめ…やけどちょっとだけやん！」


安「安静にしててって意味なんやけど…笑
それで、どうしたん？用事？」


す「ううん！なんでもない！」


安「なんやそれ！笑
ちゃんとお部屋で大人しくしとくんやでー？」



“はぁい”って間の抜けた返事をして部屋に帰っていったしぶやん。


実は少し前に発作が立て続けに起きてもーて、ベッド上安静、しかも部屋からは出ないようにって言われてる。


体力はこの数日で、いくらか戻ってきてて、
今は院内学級にいけなかったり、動きを制限されてることが、しぶやんにはだいぶストレスみたい。



ストレスを溜めすぎないようになにか考えないと…と頭のなかで策を考えながら歩いていると、また背中をトントンと…



安「今度は…って丸か！…ん？なにー？それ。」


丸「なにって、こっちが聞きたいわ！笑
これずっとついてたで？」



そう言って差し出されたのは、青色のクレヨンで、スケッチブックから雑に破った紙に“やすだしょーた”ってでかでかと書かれた紙。


こんなの背中にっ!?

いったいいつ…



安「…あ！しぶやん！」


丸「あぁー、またすばるくん(^^;」



背中に抱きつかれたあのときで間違いないやろ。


なんでもなーい！って言ってニヤニヤしてたし…



丸と困ったもんや〜って話ながら廊下を歩いてると、大野先生が向かって歩いてきて、その白衣の肩の辺りには、子どもたちのワークでよくみるカラフルなシールがたくさん…



丸「えっ！大野先生！どうしたんですかその肩！」


大「んー？…わっ！カラフルになってる…笑」



呆れたように笑う先生は、「やられたとしたら、今さっき肩たたきしてくれたすばるかなぁ…」って。



安「どうしよ、注意するだけ行った方がええよなぁ」


丸「また泣かせちゃうかもやで？」


安「せやんなぁ…(^^;」



最近はイタズラしてみたり、僕らにくっついて離れなかったり、
ストレスが溜まってるおかげで、近頃のしぶやんはお取り扱い注意なんです(^^;



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