＊ ページ4
裕サイド
なんとなく眠れなくてゴロゴロ寝返りをうつオレ。
何度か小さい発作が出たのにほったらかしにしてるせいで、何もしてなくても息が苦しくなるようになってきた。
こんな状態で帰ったってつらいに決まってる。
でも今さら先生たちに言って怒られるのが嫌で、
このままどうにか持ちこたえられないかなぁなんて…
裕「ｹﾎｯｹﾎｯ…」
あ、やばっ…
軽く咳が出てきて、枕に顔をうずめてなんとかこらえようとする。
けど…
ダメやっ…薬っ…
裕「ｹﾎｯ…ｹﾎｹﾎｯ…」
１度咳き込んだら止まらなくて、
苦しくなるばっかりやから、
暗いなか手探りで引き出しをあさる。
裕「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…ﾋｭｰ…ｹﾞﾎｯ…」
焦ってしまってなかなか探せないでいると、
シャーって音たててカーテンが開いて、
オレのベッドのライトがつけられた。
まぶしくて思わず目をぎゅっと閉じる。
するとやって来た誰かは、
すぐにオレの引き出しから吸入の薬を取って、
オレに握らせてくれた。
裕「ｹﾎｯ…はぁっはぁっ…………えっ…ぁ…」
必死に薬を吸い込んで、
呼吸を落ち着かせている間、
背中には優しくさすってくれるぬくもりが。
ようやく落ち着いて顔をあげると、
そこに立っていたのはすばる…
なんで…？
す「……うそつき」
裕「えっ…？」
す「発作ないとか苦しくないとか、うそばっかりやん！
…オレ気づいてたんやぞ。
ずっといっしょにおって我慢してんの気づかれないとでも思ったんかっ」
そういい放ったすばるの顔は悲しみで染まってた。
すばるはそのまま、今にも泣き出しそうな調子で続ける。
す「…楽しみなことがあって、我慢したくなる気持ちオレもわかる。
けど大事なのはお前のからだや。
周りは心配してんのに、どうしてお前自身が無理すんねん」
裕「…」
す「…オレ、お前がそうやって自分のこと大事にしないとこ嫌いやで…」
すばるの言っていることは正論すぎて
返す言葉が見つからなかった…
暗いなか小さなライトだけの空間で
長い間沈黙がつづいてしまう。
裕「……おれっ…」
このままじゃダメやって思って、
“おれ先生にちゃんと言う”ってすばるに向かって言いかけたとき、
すばるのとは違うおっきい手が頭の上にぽんと優しく乗っかって、
腕をたどって見上げるとそこには…
大「なーにやってるの？」
すばるの頭にも同じように手を乗せた大ちゃんがそこに立ってた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rh?(プロフ) - すみません今ってリクエスト募集されてないですか？この小説今1番好きなんです、、、(T-T) (2018年1月20日 23時) (
レス) id: 6ded627432 (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - 花音さん» なんとも嬉しいお言葉ありがとうございます!!ちゃんと更新できるように頑張ります(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
みの(プロフ) - ユキさん» よかった(^^)ありがとうございます！お願いします(^^) (2018年1月16日 14時) (レス) id: 7c61799e2e (このIDを非表示/違反報告)
花音 - すごい面白いです！大変だと思いますが更新頑張ってください！! (2018年1月13日 18時) (レス) id: bc4267d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 間違えてないですよ〜(*'▽')また機会があればリクエストさせていただきます！ (2018年1月11日 23時) (レス) id: 25f4ed2bde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みの | 作成日時：2017年11月12日 21時
