22話『黒の時代7』 ページ23
「うん。Aちゃんらしい答えだ。
そう言えば...
Aちゃんが目に包帯 巻いてないの久しぶりに見るね」
『そうですね。9歳の頃からずっと付けてたんで...
でも、部屋に戻ったら また付けます』
あの時は...なんか衝動的に外しただけだから。
衝動的に。
「そうかい。
所でこれから先、どうしたい?」
『これから先?とは...』
首領に言われた言葉に首を傾げる。
「幹部補佐だったけどその幹部は組織を裏切っちゃったから
君が望むなら幹部になってもいいのだよ?」
『!!』
そうだ。これからどうしよう...
首領か言った通り幹部もいいかもしれない。
でも、私に務まるの?そんな重役が。
「すぐに答えを出さなくていいよ。
ゆっくり考えていいから」
『...ありがとうございます』
考えよう。これからは1人でしないと駄目なんだ
お兄ちゃんが居ないから。
「じゃあ、Aちゃんもしっかり休んでね」
『はい。それでは』
私はそう言い首領室を出た
真っ直ぐ進みエレベーターにさっさと乗る。
エレベーターの扉が閉まった瞬間に私はしゃがみ込んだ。
首領と話しているうちにお兄ちゃんが居なくなったことを実感した。
いつも隣に居たのに
隣で笑ってたのに
今は一人ぼっちだよ。
私を呼ぶ優しい声が聞こえない
私の手を引いてくれる温かい手がない。
時間が経つにつれてお兄ちゃんが居ないことを実感させられる。
『助けてよ...』
そう言った瞬間に何故かエレベーターが止まった。
まだ、1階じゃないのに
不思議に思いドアが開いたのでそこを見てみると
中也兄の姿が。
私は中也兄に手を思いっきり引かれ中也兄の中に
入った。
「何でも1人で抱え込もうとするなよ...
手前はまだ12だ。俺達にも頼れよ。
泣きたい時は泣け 甘えたい時は甘えろ!!」
怒っているように見えるけど声はとても優しい。
糸が切れたようにボロボロ涙が出てきた。
『中也兄っ、! 私っ... お兄ちゃんが居なくなって
ちょっとしか経ってないのにっ...もう、寂しくて会いたいっ...!』
「うん...」
『これからだって...どうすればいいか分からないっ...の』
「よく言ってくれたな。
寂しくて当然だ。それが普通なんだ
普通なんだから寂しいなんて気持ちは隠さなくていい。手前はまだ子供なんだから」
『ううっ...中也兄っ!!中也兄っ!!』
そのまま暫く泣いていた私を中也兄はずっと抱き締めてくれていた。
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yukinoyado(プロフ) - 和菓子さん» おぉ!!ありがとうございます!!更新頑張りますっ! (2018年5月6日 18時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)
和菓子 - 1話1話、最後のまとめ方が凄い…! 更新待ってますね! (2018年5月3日 20時) (レス) id: de9df62b61 (このIDを非表示/違反報告)
yukinoyado(プロフ) - 夏咲 ゆきあさん» いえいえ。こちらこそありがとうございます! (2018年4月30日 17時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)
夏咲 ゆきあ(プロフ) - twitterではありがとうございました。応援してます。更新頑張ってください! (2018年4月29日 23時) (レス) id: 9c923fb67a (このIDを非表示/違反報告)
yukinoyado(プロフ) - 凛歌さん» ありがとうございます!頑張りますっ!! (2018年4月29日 23時) (レス) id: fcd1afde8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yukinoyado | 作成日時:2018年3月31日 13時