勘違いされたらきりがない。【名探偵コナン】 (ページ24)

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朝から夕方まで入っていた私と入れ替わりで入った店長に挨拶をし、更衣室で着替え終えて店の裏口からそおっと出る。
前に勢いよく出たら昼寝をしていた猫の邪魔をしてしまったことがあるので、そこら辺を考慮して慎重に慎重にと出たのだが、今日に限って居なかった。

表通りに出ると、あむ……降谷さんが買ってくださったベージュのトートバックからこれまた降谷さんが買ってくれたスマホを取り出す。

なんでスマホ？いつの間に？
と、疑問に思った方。

私もこの世界ではあまり必要ないと思っていた品物なのですが、ある日突然スマホを渡されたかと思うと「何かあったら直ぐに僕を呼んでくださいね」と念を押された挙句、「男を連絡先に登録する場合は僕を通してください」と言われた。

何かあって直ぐに呼ぶのは理解出来たが、男の連絡先を登録する場合も言わなければいけないのがあまり理解できない。

もしかして、彼氏が出来ると思ってるんだろうか。
もしそうだとしたら、大丈夫ですよ降谷さん。
私に彼氏なんて一生できませんから！！

そう思いつつ、バイト終了のメッセージを降谷さんに送信すると、秒でつく既読。

『(“近くの公園に迎えに行きます”……え、迎え来るの？)』

思わず、帰路を歩んでいた足を止めて彼とのトーク画面を見つめた。

昨日の夜から帰って来れないほど忙しいなら、小娘ひとりなんか放っておいて寝てもらった方が何倍も良いのだけれど。
些か彼は優しすぎる。
なんの罪悪感があって、なんの義務があって、私にそこまでしてくださるのかこっちは分からないのに。

私は降谷さんにありがとうございますと可愛げのない返信をし、スマホをバックに入れて公園まで歩き出した。