勘違いされたらきりがない。【名探偵コナン】 (ページ17)

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ポアロでアルバイトを初めてから早1週間。上の階に住んでいるという毛利家さんとも顔見知りになって、あの、江戸川コナンくんとも少しだけ話した。

警戒心剥き出しだったくせに、安室さんと一言二言話したと思ったら猫のように近付いてきて「おねぇさんこんにちは！」と可愛らしい笑みを浮かべていたのを覚えている。
一応、警戒心は解けたらしい。

「Aちゃん、買い出しを頼んでもいいかな？」

『あ、はい』

「本当は安室さんに頼もうかと思ってたんだけどね……車運転できるし」

『わ、私は大丈夫です。』

お客さんがあまり訪れない平日の午後過ぎ。
お使いを頼また私は梓さんからメモを受け取り、エプロンを脱いでカウンターの椅子に掛ける。それからメモに間違いが無いことを今一度確認してから外に出た

温かい風が頬を撫でて、無造作に伸ばしている髪が視界を遮る。邪魔だ、とそれを耳にかけて、ふと道路に視線を移すと白い車が脇を通って行った
彼の車ではないと分かっていても、目で追ってしまうのは、無意識に探しているからなのだろうか。

『(……安室さん)』

今日のシフトに安室さんは居ない。
昨日の夜から公安の仕事で帰ってきて居ないのだ。今朝彼が居ないことを察して梓さんには『体調不良です』とだけ伝えておいた。

安室さんが別の理由をつけて、既に休んでいる連絡をしていないことを願うばかり。