検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:17,858 hit

110 ページ12

あの試合から三日が経った。


みんなの前で子どものように泣き叫んでしまった羞恥で埋まってしまいたい衝動に駆られつつも、私はある人と待ち合わせをしている街の時計台まで来ていた。



雅さんには今日は遅くなるって伝えてある。


夕日に染まった時計台の下には影が一つ。


私は急いでその影に駆け寄った。


「ごめん!待たせちゃった??」

「大丈夫だよ、心音」


フワリと笑う貴公子様。


イケメン過ぎて眩しいくらいだ。


「大事な話ってことは…告白の返事かな?」


まさか、彼から切り出されるとは思っておらず勢いよく顔を上げてしまった。

そんな私の反応にやっぱり、と頷いていた。


「あの…愁は私の憧れで、それは多分これからも変わらない。

それにね?私っ…湊のことが好きなのっ!

だから…愁の気持ちには応えられない。ごめんなさい」


俯いてしまった私に彼はいつものように笑う。

そんな気はしていた、そう笑う彼は少し寂しそうだけど、

私は何もしてあげられない。何か、してはいけない。


「心音、返事してくれてありがとう。

心音のことだから、応えられなかったことに罪悪感とか抱いてそうだけど…」


図星過ぎてヴっと言葉に詰まった。

そんな私にまた、彼は笑い、やっぱりと囁く。


「でも、心音は心音の気持ちを大切にしてほしい。

罪悪感を持たないで、それは俺が心音を好きになったことが間違いだったって否定されているみたいだから…。

だから、心音。心音は湊への気持ちを大切にすることだけを考えて」



あぁ、なんて素敵な人に私は好きになってもらえたのだろう。

それでも、やっぱり申し訳ないような気持ちをすぐに消すことは難しいから

笑って「ありがとう」を伝えよう。

きっと、愁はそれを望んでる。

111 藤原side→←109 鳴宮side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 4.5/10 (214 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
57人がお気に入り
設定タグ:ツルネ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

AYUMI(プロフ) - できれば想いを交わし合ってその後は……という展開も見たかったですw! (2021年10月16日 22時) (レス) id: 3b6a14b16e (このIDを非表示/違反報告)
AYUMI(プロフ) - 全部読ませて頂きました!凄く面白いし、私は湊が好きなので夢主を自分に当てはめて妄想することができたので嬉しかったです!キュンキュンしましたw (2021年10月16日 22時) (レス) @page16 id: 3b6a14b16e (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 捺美さん» 読んでくださり、ありがとうございます!本当はすぐにでも新作を...と考えていたのですが怪我の手術をすることになったので新作はさにになりそうです。もしも、新作を書く時はまた、よろしくお願いします! (2019年2月26日 2時) (レス) id: a160fbb1ce (このIDを非表示/違反報告)
捺美(プロフ) - 1話から拝見させていただきました。ストーリーに合うとても素敵な描写が思い描けていて読んでいて面白かったです。新作もあれば是非拝見したいです。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: aacc5df4fa (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 水無月さん» 読んでくださりありがとうございます!応援もありがとうございました!そう言って頂けて嬉しいです!コメントを頂けて励みになっています!本当にありがとうございます! (2019年2月22日 19時) (レス) id: a160fbb1ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:銀河 | 作成日時:2019年2月21日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。