聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが28人 ページ29

白石side




冨岡さんが抜く針を見定めやっとそれを引くようだ。
軽々とそれを引っこ抜くと私達の足元に
不意をつかれでていた針を
危機一髪のところで引っ込んでいった。

冨岡さんが持つ針を見ると
何やら根っこに異形の鬼がついていた。

なんだろう、すごくぶくぶくしてて、








『気持ち悪』


｢うわあ｣


｢…ないな｣









賛否の賛の字だけ消失した。
もはや否しか無い。








｢てめぇら見たな…見たな！？
許さねえ！！！！｣


｢いえ、てっきり私達ただの臆病者かと思ったら…
気にしていらしたんですね、見た目。｣


『なんか、ごめん』








がたいのいい形的に人間時は男の人。
やっぱり女の人に言われると傷つくのか
小さくうっと心を刺される音がした。

次にはもう切り替えて
私たちに襲いかかってきたが
やっぱり下っ端だ。








『白の呼吸、弐の型、月白風清』


｢ぐあ"っ｣







風のように移動するAに纏う綺麗な光が消えると
既にあの鬼は首と体がお別れしていた。









｢あらあら、Aさん動いても
もう平気だったんですか？｣


『…やっぱ気持ち悪い』


｢Aさーん｣









そこら辺に落ちていた枝で灰になり行く
鬼の頭を引いたような顔でグイグイといじる。

珍しい表情だと思うが
異型の鬼や変質者等に巻き込まれる時は
大概この顔をすると宇髄さんが言っていた。

つまり頻繁にこの表情を見る宇髄さんが
変質者なのか
変質者を呼び寄せるのが宇髄さんなのだ。(暴論)









｢A、分かる
(が可哀想だろう、言ってやるな)｣


｢何がわかるんですか冨岡さん｣


『あ、消えちゃった』


｢ほら、そんなものポイしなさいAさん｣


『ん』








まだ残っていた体に投げつけて
帰りたいと私の袖を引き目で訴えるAさん。
蜜璃さんで言う、キュンキュンするわ、ドキドキするわ、という言葉を借りておこう。









｢さて！倒し終わりましたし帰りましょうか？｣


｢ああ、あ、A｣


｢Aさーん、先行かないで｣


『分かった』








立ち止まらない辺り聞いていないと察して
急いで隣に行き手を繋ぐ。

そうするとぎゅっと握り返してきた。









｢…Aさん、男性にこういう事を気軽に
しちゃ行けませんよ？
冨岡さんとか｣


｢え…｣


『分かった』


｢本当にわかってますか…？｣


『ご飯はアオイと作る』


｢ちが、…楽しみにしてますね？｣

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