聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが33人 ページ34

伊黒side




甘露寺が最近話しているAちゃんとやらが
気になり接触してみて早1ヶ月が立つ。

文を定期的に送り合い文通をしているが
白石の文字や文章は綺麗で
惹き付けられるものがある。

そんな白石が居る蝶屋敷に怪我を負い
連行された俺、の隣で鶴を淡々と降り続ける
任務から帰ったばかりの白石。







｢…何をしている｣


『ご飯何が好き？』


｢おい、聞いているのか｣


『…これで千羽鶴折る』


｢は？｣


『早く治ってね』








会ってみると黙れば可愛らしいのに
話が噛み合わないやつだが
一つ一つが相手の事を思った事だった。

話を余り聞かないのなら
文字にしたらどうかと手もとの筆と紙を手に取る。









“俺はとろろ昆布が好きだ”


『…とろろ昆布、分かった』









反応が無い白石を筆の反対側でつつき
紙を向けると数秒紙を見つめて微笑む。

可愛らしい。
愛くるしい笑顔だ。









“千羽鶴、ありがとうな”


『なら、帰って来てくれてありがとう』


｢！｣









白石がふわりと笑って俺の頭を撫でる。
嗚呼、甘露寺が言っていた事はこの事か。

白石と居ると安心する。
陽だまりの様な子だと。









“白石、今日一緒に飯を食べないか”


『でも私病人じゃないから、病室に居てもいいか』


“俺の我儘だ、胡蝶に頼んでおこう”


『分かった』









少し寂しそうな顔をするものだから
どうしたと思いAの頭に手を置く。









｢…白石｣


『喋った』









突然ほっとしたような顔になり
どうしたのと聞いてくる。









｢…話は聞かないのでは無いのか｣


『喋ってくれなくて寂しかった』


｢そうか｣







返事にはギリギリなっているが多分聞いていない。
まあ、白石の場合は特例だ、許そう。

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