好きな女√ ページ33
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よりによってこの男にこの話をすることになろうとは…
宇髄の口車に乗せられてやって来たのは、大学敷地内にあるカフェ。
本当はキャラメルホイップラテが飲みたいのを我慢して、ホットコーヒーをオーダーすると、奢ると言ってきかない宇髄が、先に席へと俺を促した。
席に座ってぼうっと外を眺める。
鎖骨より少し伸びた長さの、控えめなブラウンカラーの髪色の女性を目で追う。
そこにAの面影を無意識に探してしまうのは、もうずっと昔からだ。
先程の失言により呼び起こされたAの記憶は、いつも以上に鮮明で、簡単には消えてくれない。
…会いたい。
あと1ヶ月をきったその日が、待ち遠しくて仕方がない。
こんなにも温めた気持ちだ、何があっても揺らぐことはないだろう。
「レジの新人の子、めっちゃ可愛かったわ〜。」
連絡先ゲット〜、と満足気に席に着いた宇髄が、コーヒーのマグカップを俺の前に差し出した。
どおりで、時間がかかってたわけだ。
「あ、そうだ。
お前にはコレな。」
そう言って大きな手いっぱいに持ってきた個包装の角砂糖をボトボトとコーヒーの横に何個も落とすコイツがよくモテるのは納得だ。
何も言わなくても、俺が無糖のブラックなんて飲めないことを分かっているんだから。
「サンキュー。」
感情が全然こもっていないお礼の言葉を気にする様子もなく、宇髄は少し前のめりになって俺を見た。
「で?好きな女ってのは?」
こうなってはダメだ。
言うまで帰して貰えないだろう。
それで、そのまま合コンまで連行するのがコイツの目的だ。
俺は渋々宇髄に全てを話した。
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ひよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!! 番外編での二人の詳しいその後に、改めてきゅんとしたり、ほう、と至福の溜息をつかせて貰いました。実弥くんと10年もかけた純愛が出来て幸せです。二人ともお疲れ様でした!! (2021年12月10日 22時) (レス) @page43 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 完結おめでとう!そして、お疲れさまでした!待ってたよ♡笑 どちらが書いているのか分からない程の完成度の高いリレーでの合作流石でした!ピュアピュアの可愛い実弥さんに。二人の一途さにキュン…久々に純愛読ませて頂きました!素敵なお話をありがとう😊 (2021年12月10日 21時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - ヤヴァイ←素敵すぎて語彙力が無になりました(^-^) (2021年10月7日 23時) (レス) id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - なります!!なりますとも!!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page31 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 奏海さん» もう、拭いてもらいました…ムフフ。 (2021年10月3日 23時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏海/羽糸 x他1人 | 作成日時:2021年8月7日 21時