ファインダー越しの10年【不死川実弥】

切れ端の意味 ページ26

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「…あん時の約束、まだ覚えてるか？」



片付けも終わり、口実だったものが無くなる。
家族の元に戻る直前突然口を開いたかと思えばそんなことを言い出した実弥くん。

覚えてるも何も、実は期待しているだなんて口が裂けても言えない。



『あと3年で、独身のまま30よ』



軽く横目で睨みつつ精一杯の皮肉を込めてそう言えば、満足したように口角を上げて「俺も写真見るわァ」と家族の元へ歩いて行った。
残された私の手元に握られているのは、恐らくその辺の雑貨屋さんにでも売られていそうなネックレス。実弥くんのお母さんが先程言っていたバイトを始めたという言葉を信じるならばその給料で買ったものだろう。
そしてもう1つ手に握らされたのは千切られた跡のあるノートの切れ端だった。



スタジオに誰もいないことをいい事に三つほどに折りたたまれた切れ端を開き、中を見る。
瞬間その切れ端を折りたたみ足早に事務所へ戻ってスマホで検索をかければ、彼の元へ飛び込みたい気持ちを抑えるのに必死なあまりインカムで呼ばれた頃には不死川家は店を後にしようとしていた。








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“男が女にネックレスを贈る意味、調べてみ？”








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“大切にしている証”
“いつもあなたを想っている”








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