【ヒロアカ】轟兄さん３【男主】 (ページ6)

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『…すいません』

「いやいやいや！A君が謝ることじゃないよ」

記憶喪失だと医者に診断された

いつ記憶が戻るかはわからないと、原因はストレスらしい

らしいって自分のことなのにおかしいなって思うけれど

俺は誰なのか、何をしていたのか全てわからなかった

俺の弟だっていう焦凍君が教えてくれたけれど

『本当に俺ってヒーロー…だったのか』

ヒーローで教師で

自分ってすごかったんだなって思った

申し訳ないなと思いながらもヒーロー活動はお休みすることにした

１００人ほどのサイドキックがいるって聞いてまたさらに驚いた

家にいても落ち着かないので学校に連れて行って欲しいと頼むと

焦凍君は俺の手を引いて学校まで連れて行ってくれて俺の事情を先生たちに話してくれた

こんな立派な弟なんだ、きっと俺も立派だったにちがいない

「yo!A随分とおとなしくなったな」

『す、すいません。邪魔ですよね』

「ohこりゃ重症だなイレイザー」

「やめろマイク」

居場所、無いな

みんな優しくしてくれる

でもそれは今の俺に対してじゃない

迷惑かけてばっかりだ

「Aせんせー！！」

「A先生！！」

『あ、えっと…こんにちは』

すれ違う生徒みんなに声をかけられる

俺は挨拶一つして逃げるようにその場を去る

『広いな…どうやったら外出れるんだろう』

外の空気を吸いたい

そう思って安易に職員室から出たのがいけなかった

「A先生！」

『っ！こ、こんにちは』

「僕、緑谷出久です。轟君からA先生のこと聞いてるから大丈夫だよ」

『…そっか。ごめんね』

「ううん、一緒にご飯食べようもうお昼だから」

手を引っ張られて食堂へ連れられる

人いっぱいいるな…

「兄さん！」

『ぁ、焦凍君…』

焦凍君の隣を開けてくれてそこに座るように勧められる

『俺、お邪魔してもいいの？』

「おう、俺のクラスメイトのやつらだ。みんな兄さんのこと知ってる」

みんな一人一人から自己紹介される

「でもA先生のこんな頼りない姿ってなんかかわいい」

「ギャップ萌えってやつだよね」

『あ…恐縮です』

芦戸さんと葉隠さんに言われ返す言葉も無い

「本当ずりぃよなA先生って」

『上鳴君もかっこいいと思うよ』

「俺いつものA先生よりもこっちのほうがいい」

みんな優しかった

なんで、忘れちゃったんだろう

こんな立派な生徒達のことを