【ヒロアカ】轟兄さん３【男主】 (ページ19)

今日:1 hit、昨日:41 hit、合計:779,907 hit

１９ページ19

『それはない。』

確かにここに来る前にそのことについて考えた

こっちの方が対価も少なくて済むだろう

それに確実で速攻にわかる

でも、もしもその願いを叶えて、もしも本当に内通者がいて

それが俺のよく知ってる人物だったとき

証拠も何もない状況でただただ俺は見てるだけでいるなんてできっこない

自分の手で殺してしまおうなんて思ってしまうかもしれない

警察が動けないのであれば、ヒーローが捕まえられないのであれば

俺が、個人的に何かをしてしまうかもしれない

「わかった、引き受けよう」

『本当かっ！？』

「だが、その対価は受け取らない。

対価は与え過ぎてもいけない奪いすぎてもいけない

過不足なく、対等に均等に」

『…と言うことは？』

「お前の命はお前が思っている以上に価値がある

５年でいい。それで対等だ」

５年…俺の命は俺が思っている以上に価値が有る

初めて会ったこの男の言葉に

なぜか、嬉しくなった

いつなくなってもいい、いつ消えてもいい

そう思っていたこの命

『ありがとうございました』

「その願い、叶えよう」

急に暖かい風が吹き、目を開けると家は消え俺は校舎の前にいた

夢だったかのような事実

俺の体は５年分軽くなった気もした

もしもこのことを知ったらみんなはどう思うだろうか

怒るだろうな、オールマイトや相澤さんは特に…

「あれA君？」

『オールマイト、演習終わった？』

「終わったよ全員分録画してあるから」

『お。じゃぁ見ようかな』

「A君」

『んー？』

「お疲れ様」

『…あなたもね』

ヒーローは守るものが多い

それでも守りきれるとは言い難い

そして、守りたいと思った人ほど守れない

けれど、自分ができることをどんな手を使っても

俺は守りたいと思うから

反則と言われても、自分の身を削っても

それでも守れるのならそれでいい

それでいいと思ってしまう