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「A君、私に着いてきてくれないか」
そう、この人は誰かにお願いをすることなんてほとんど無い
俺が今までこの人から頼まれる唯一のことはいつも
「着いてきてくれ」
その一言だった
どこに、なんで、誰と
こんな情報は後々説明されるが切り口はいつも一言だけ
そして頼みにくそうな、申し訳なさそうな顔をして後頭部に手を添えて言う
この人は気づいていないだろうけれどこれがこの人の癖だ
『これから仮免の会場に行く予定だったんですが』
「あぁ。そうだよな…すまない」
『知ってて言ったんでしょ。俺に着いてきてほしいんでしょ』
今日は１年の奴らが仮免の試験なんてことはこの人だって知ってる
俺が行く予定のことも。この人自身だってその目でみたいに決まっているのに
『相当な案件なんだろ』
「あぁ」
『援護すればいいの？』
「そうではなくて、君にも一緒に来てほしいんだ」
もっと強気で頼んでくればいいのに
俺と来いってくらい言えばいいのに
申し訳なさそうに、この人はいつも言うんだ
俺がこの人のお願いを断ったことはないしそもそも断れるわけない
『場所は』
「タルタロス」
懐かしいと、もう思ってしまうクタクタになったヒーロースーツを片手に持ち
わずかな緊張感とタルタロスと発された言葉で全てを察した
「君の助手席に座れるなんて嬉しいな」
『こんな形で乗せたくはなかったけどね』
「すま…」
『謝んな。あんたのためにやってんだ』
「ありがとう」
本当は意地でも行きたくない
正直言うと怖いと思う
情けないけれどあの夜１度会ったがもう二度と会いたくないと
二度と戦いたくないと思った
見透かされる
心を全てを、わかると同情されて同意されたら
「君がいてくれて私は頼もしいよ」
『前もそれ言ってた』
「え、いつ？」
『それこそオールフォーワンに俺があの技を仕掛ける時』
「よく覚えてるね」
『覚えてるよ。あんたからもらった言葉だ
平和の象徴に頼もしいなんて言われて忘れる奴がいるか』
「A君」
敵犯罪者特殊収監施設タルタロス
俺たちは大きく深呼吸をして中に入る
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メロンパン - めちゃくちゃ面白かっです。続き楽しみにしてます。 (9月2日 13時) (
レス) id: 77fdb417b6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 更新再開したら、轟の兄さんが敵の個性で性転換しちゃった話を番外編で見たいな、何て… (7月3日 17時) (レス) id: da84770975 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - 愛知県は名古屋城、えびせんの里です (6月10日 7時) (レス) @page2 id: a5183fd4ed (このIDを非表示/違反報告)
春千瑠 - 全部読ませていただきました！デレデレ焦凍くん可愛かったです！轟兄さん5が楽しみです！無理せず頑張ってください！ (2023年1月4日 18時) (レス) @page38 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 面白すぎて何回も見直します！これで5回目です！これからも頑張ってください！更新まってます！！！！！ｷﾘ (2021年11月20日 9時) (レス) id: f19c2b6700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要
| 作成日時：2018年8月20日 21時
