【呪術廻戦】黙ってろモブ３【男主】

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「見惚れた」

『ありがとう』

「すごく…かっこよかった」






ギュッと俺の服を掴んで優しく微笑する恵は珍しく俺に想いを告げた

こいつは棘や悟とは違ってあまり自分を主張しない。それは昔からだ

だから俺は気づいたんだよ恵、お前が俺を見る目が変わったことを







『ありがとう恵』






スッと頬を撫でると目を細く開け猫のように擦り寄る

そばにいたからこそ、俺はこいつが好きだしこいつのことがわかる

だけど多分「好き」だなんて言われたら俺は「俺も好きだよ」とは返せない

それは恵に限った話じゃない。棘にもそう




だけど棘はハナから俺がそう言えないことをわかっている。それが棘と恵の違い

だから恵には触れる以上のことはしないでおこうと思っていた







『ｶﾜｲｲ…』





でも恵のその、隠してるつもりでいる俺への好意がたまにこうして愛おしくなる

唇を吸って、全て取り込んで俺に溺れさせたくなる

俺でグジャグジャにして、泣かせたくなる






「あぁ、そうだ…迦楼羅が」





でも今の俺にはそれは到底できっこない

こんな誰よりも弱い俺が誰かを自分に引き込もうなんて







『カッコ悪…』

「かっこいいよ、お前はいつも」

『何言ってんの。前も言ったけど今の俺には何もないよ』

「そうじゃねぇよ。お前はちゃんと自分に向き合ってるだろ。揺るがないだろいつも」





＿揺るがない人間性＿ね








『案外、お前もずるいね恵』

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