ばか izw ページ9
your side
2人ですごした日々が今もまだあたしの中に残ってて少し暖かい。
2人でいればなんて言って全てをわかりあった気でいた。
それだけで生きていけるとおもってたの。
頬が濡れて顎から雫が落ちる。それはもう大渋滞みたいよ。
まあどうせ今後こんなにも泣くことなんてないんだから使い切ってしまってもいいわ。
全部全部流れきってしまえばいいの。
ねえ、どこにいったの。 これはまずい。ほんとうにまずい。ていうか歯磨き粉買ったばかりじゃん。
あたしが大嫌いなすごく不味いやつ。9割5分も残ってるわ。
あたし一人で使いきれるわけないでしょ。
ねえ、あたしのこと振ってどうすんのバカ。
あたしのこと振っていいわけがないでしょ??
何を考えているの??
そりゃさ、こんだけ長く一緒にいたら倦怠期もくるだろうし、たまにはサプライズしてよねって言ったけど。
さすがにタチが悪いんじゃないの?やっていいことと悪いことの違いも分からなくなったの??
もうさ、いいから、飽きたから、そろそろ種明かししに来てもいいんだよ。
あの時約束したことだってあたし忘れてないのよ。
クイズだってどんどん強くなってきたでしょ?
伊沢さんが言ったんでしょ。俺に勝つには10年早いって、それって10年後も一緒にいるってことだったんでしょ。
ずっとずっと、あたしのことが好きだと思ってたんだけどね、もしかしてなんだけどさ。
君は僕の全てっていうのは、時々だったの?
そうだとしたら、そうだとしても、
もうなんでもいいや。どうでもいい。うん。
伊沢さんがくれたもうどうしようもなく猛烈にダサいワンピース着てさ、帰ってくるのずっと待ってるのよ。このあたしはここまでしてるのよ。
時々出る馬鹿なところが好きだった。真面目なあなたもふざけているあなたも、私にだけ見せるあなたもだいすきだった。
本当はあなたの優しさに甘えすぎてること気づいてたのよ。
でも、やっぱりあたしを振るのは許せないから、そんなバカわたしからふってあげるから。
泣いて追っかけてきたって許してあげない。
もうどうしようもないほどの後悔に襲われちゃえばいいのよ。
もう、忘れるの。次に行くの。
だって次の涙ももう溜まったんだから。
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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月20日 2時