【QK】十人十色【短編集】 (ページ44)

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埋めてあげるのに ko-chan ページ44

ko-chan side

俺の幼なじみのAは髪色が派手でピアスが沢山空いていて見た目はとても怖い

でも中身は優しくて臆病で大人しくて

そんな彼女が好きだった。

『こうちゃん、また振られた』

｢また～？？、、ってことは｣

『うん、ピアッサー買ってきた、、』

なぜ臆病な彼女にピアスが沢山空いているのかと言うと、大学生になってから彼氏と別れる度にやけくそで開けるからだ。

｢そろそろ辞めたら、、もう開ける場所軟骨になっちゃうよ｣

『だって、だってーー、、』

｢今回で7個目ね、軟骨のギリギリのところだから多分痛いよ、、？｣

『いいの！！！その痛みは失恋の痛みに比べたら余裕だもん』

そう言って僕にピアッサーを渡す

開けるのはいつも僕そんなに信用してくれてんのね、と思う反面男として見られてないんだなと悲しくなる。

｢今回の男はまじで最後とか言ってなかった？｣

耳を消毒しながら聞く

『そうだと思ったの、、臆病な君も好きって言ってくれたから中身を見てくれてると思ったの、、』

ひんやりする耳を触りながら印をつける

｢そろそろあけるよ｣

『はーい』

バチン、

『っーーーいってぇ～、、、』

｢はぁーー緊張した｣

『その割にすぐ開けてくれたじゃん』

｢僕もむかついたからさ｣

『そんなに私のために怒ってくれてるの～優しい～』

、、なんもわかってないなこの子。

俺がムカついてるのはたしかにその元彼でもあるけど

なんにもできない俺自身に対して。

あのさ、俺だったらもうピアスホール増やすようなことないよ？なんならピアスホール埋まるくらいの時間一緒に過ごすよ？？

一生かけて君を幸せにするよ？

『あーあ、もう辞めたいのにな』

そうやってつぶやく君に俺がいるじゃんって言えない

そんな自分が大嫌いだ