がさつな彼女は松川の彼女

第4話 部活 ページ5

少し月日が経ち、

クラスの人とも馴染めた頃


及川がバレー部の主将になったと聞いた、


私はバレーの知識とか、何もないけど


中2の時、一回だけ見に行った事がある









及『あ、あのさ！Aちゃん！！』


ほんのり頰をピンクにさせて
彼は私の席の前に立って話した、








及『こ、今週の土曜の試合、見にこない？
俺、レギュラー取ったんだ！』









と自慢気に話しながらも
大会の誘いがきた。








私は、暇だったし、
断る理由もなく、軽い気持ちで









貴『うん、いいよ？』






と答えると


何故か、隠れてガッツポーズをしていた、









そして、その当日、バレーの試合を見に行けば
いつもの及川は






そこにはいなかった。









何もかもが違った。
どんなに素人の私でも彼の凄さが
分かった。









彼から教えてもらった、【セッター】という
ポジション。

味方のスパイカーにトスを上げる人の事。









凄かった、何時もはウザいと思っていた
及川を初めてかっこいいと思えた瞬間だった。









そして、何よりも言いたかった事は
彼がとっても【キラキラ】してたって事。









試合が終わり、勝利でおさめた、




及川の取り巻きがいなくなった後
私は彼の方へ足を進めた。






及『どっ、どうだった？』



緊張しているのか、声が裏返る及川に
少し笑った、







そして、私が1番伝えたかった事を
言った。


語学力とか全然無い私は









貴『かっこよかった、【キラキラ】してた！』









と、






及『………???』



素っ頓狂な答えに彼は


頭にハテナマークを浮かべながらも
かっこいいかぁ、と嬉しそうに少し

恥ずかしそうに笑った彼は



ありがとうと、笑い。









及『Aちゃんらしいね』



と。









貴『…………』





部活かぁ、学生生活をしてきて


私は部活に入った事がない。



一静が夏休みとかに合宿に行くのは知ってる
けど、具体的にはなにをするのか、




部活オンチな私には皆目見当もつかなかった。




貴『………』

まぁ、私には関係ない事か、と、そう考えれば
この考えは風船に穴が空いてる事に気付かず
空気がもれていくようにシューっと
頭の中から消え去っていった。

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