がさつな彼女は松川の彼女

第22話 大王様と王様 ページ23

貴『えっと、今日さ、親が帰り遅くって
ご飯作れないって言われててさ！』


と、笑った、



私は彼に、嘘をついてしまった。



どうして、こんなに苦しいのか、
今まで嘘なんてついてきたのに、


バレてほしくないのに



どこかで、私は彼に気づいて欲しい


と思っている、


でも、

そんな、うまく、気づくことなんて

なくて


松『大変だな、家って真っ直ぐだった？』


と、私の家まで送るつもりのようだ



普通だったら、すごい嬉しいけど



貴『本当に、大丈夫だよ？』


と、私は彼の持っている荷物を
持とうと彼の前に立って



取ろうとすれば


彼は


ひょいっと荷物を高々と、

私が取れないように持ち上げる




松『ふっ、だぁーめ』


甘い声で


優しく笑う彼が


妖艶で、




自分の顔がだんだん赤くなっていくのが
分かる、


だめ、なんだ、



彼には、甘えてしまう、



少しだけ、彼は

他の高校生よりも大人びてて


だからこそ、




子供な私は、そんな彼に甘えしまう、



我慢だって、幼い頃からずっと
やってきた、




他の子と違って、私の親は
多忙だからって


自分に言い聞かせて


きたのに。




どうして、甘えてしまうのか、



別に嫌じゃない、でも



一静には、


私は、一静に似合う大人びた


彼女っていう



存在になりたくて、


こんな、



小さい子供みたいに甘えていたくない、



違う、




違う、、、。





松『……嫌？そんなに、俺に
送られるのは』




寂しそうに



私の事を見つめる彼、




貴『え……いやなんかじゃっ！！』




慌てて、彼に言う。


嫌じゃないの、


子供扱いされるのが、少し、嫌なだけ、





松『じゃあ、俺は、お前を
おくっていいですか、』




いいよ、全然、

むしろ、お願いしたいくらいだよ


でも、まだ、まだ、


話したくないの。



家には、私の靴しかない、




勘のいい一静なら


きっとすぐにわかってしまう。


頭が
真っ白になりそう、



ショートしそうになるぐらい


頭がパンパンで

焦ってしまっていると、


彼は


松『あのさ、俺はさ、
心配な訳、なんですよ、、



ただでさえ、部活で忙しい俺が
お前と一緒に帰れてすっごい



嬉しくてさ、



お前のことが、大切だから






お願いだから、家の少し前だけでもいいから
送らしてくれないか、』




私の事を、思ってくれるからこそ、



こんな事が、言えるんだ、って


伝わってくる。

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