図書室ものがたり。

本棚の奥に。10 ページ12

金曜日。


昼休みに取ってきた交換文庫を開く。


授業前の休み時間、窓側の１番うしろが私の席。


普段は居心地が悪いけど、交換文庫を読んでるとなんだかＩくんがそばにいるみたいで落ち着けた。


……んだけど。


今日Ｉくんから来た返事はなんかおかしい。


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ねえＫ。

恋って

なんだろう？

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これだけだった。


いつもは１ページに収まりきらないくらい書いてるのに。


それにいつも話題は｢先生たちにあだ名をつけてみよう｣とかくだらない内容なのに…


まあそれは私が提案したんだけど。


それはおいといて、今日の内容はなんというか…哲学的だ。


｢恋ってなんだろう？｣か……


…初恋がまだの私に聞かれても。


｢恋｣って……？


よくある少女マンガとか…あれは恋…だよね。


なんか胸がどきどきして…


一緒にいると楽しくて…落ち着いて…


笑顔になれて…


ちょっと苦しかったりもする…


それが私の思う｢恋｣。


それだ……急いでペンをとる。



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どうしたの急に(笑)

私の思う恋は

胸がどきどきして、

一緒にいるのが幸せで、

その人をみると笑顔になれて、

ちょっと苦しかったりもする

そういうのだと思うよ！

Ｉくんは、恋ってなんだと思う？

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｢よし、と｣


書き終えて


｢え｣


私は気づいてしまった。


もしこれが｢恋｣ならば、


私は


Ｉくんに恋をしている。

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