叶 え て や る よ 〈T.F〉6.

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〈 藤 side 〉




あの日、俺はあつしの誘いを断った。


そうすることが、Aの幸せには繋がるって思ったから。



あれから、あつしと電話してもAの話は聞かない。

きっと、俺から聞かない限りなにも話してこない。




AはAで、幸せになる。



俺は…Aが居なきゃ、幸せになんてなれないけどね。





玉「ガヤ」

藤「んー？」

玉「なにしてんの？」

藤「なにが？」

玉「彼女？これ」

藤「あー、違う」

玉「じゃあ、なにしてんの？」

藤「それは友達の彼女」

玉「そっか、ごめん」

藤「んー？なに？どうしたんだよ？(笑)」




玉に突然、言われた。





玉「ガヤ、ずっと元気ないから心配」




ずきんって、音がした。





藤「…ありがと、でもなんでもないよ」

玉「…わかった。」



玉は、納得してないような顔をしていた。





ごめんな、だってまだ、

Aと終わったなんて言いたくてなくて、

言えないんだよ。




まだ好きなんだよ、

まだ愛おしいんだよ、

なんでもっと早く出逢えることが出来なかったの？って、

悔やんでも悔やみ切れない想いばっかが、

ずっと 胸の中でうずくまってる。

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