＊ ページ18
中也が花に向かって大きく蹴りを二発連続で打つ。
｢おらァ！！｣
勿論、花の異能により液体で防御されるが…
｢っ…！！｣
水滴が宙を舞った。花が寄ろける。
｢やっぱり…
一定の圧力を変えると削れるんだな。
昔から手前は、考えんのが下手くそだからなァ？｣
花は顔を真っ赤に染めた。
｢違う！…考えんの下手くそなのは…昔だけですよ！！｣
水滴は1つに集まり、針のように変形した。
そして、勢いよく中也目掛けて飛ぶ。
｢あぁ？｣
中也肩を掠った。
服が切れ、隙間から擦過傷が見えた。
｢嗚呼、あなた自身に重力を掛ければ確かに削れるかもしれませんが…
この速さなら追いつけません。考えんの下手くそなのは貴方です。貴方は私を、舐め過ぎています。｣
中也の周りを水の刃が囲った。
｢舐め過ぎてるだァ？
違ぇよ。
昔の手前が名残惜しくて、この目の前の現実が違うんじゃねぇかって…何かの間違えじゃねぇかって思ってんだよ！｣
その声は強く、怒りと悲しみの色が混ざりあっていた。
｢現実です。
貴方の…貴方の事なんて、一度も…上司なんて思った事は無かった。唯の暗殺対象でしか無い…。
未だに信じようとするなんて馬鹿の所業ですね｣
花が腕を振りかざした。
そして、刃が中也の身に降りかかる。
その瞬間、彼は______。
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作者名：花蓮 | 作成日時：2019年12月31日 11時
