Dekigokoro・別館４

どう言っても。(ybin) ページ13

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デビューを掴んだ時。

一言で表せない裏話は、大人の事情で心を抉られもしたけれど。

世の中に出られる喜びが勝る十代、未来ばかり思い描いていられた。






同じ日に、初めて潜ったドアから二十年。



互いの紆余曲折を経て、今も隣にいる。




......


そーいえばさ。

(また変なこと思い付いたな)なに？

おれら告白って…してたっけ？

(何言ってんだ？いやいやここは無難に)さぁ？

(何言い出すんだってカオしてんな)言ってないよねぇ。

(ヤバい、『二十年目の真実』チック)だっけ？まぁ…始まりは中々最低でハードだったからね(言われる前に言っとけ)

そぉねぇえ…だってやぶぅ、フラれた腹いせに襲ってきたんだもんねぇ

その節はすいませんでした！(やっべ、ヘビ出た…いやここはネコか？)

はいはーい。(言うの今年で終わりにするかなぁ)



((でも))


(本気の抵抗だったのかな、あれ)

(抵抗しきれなかったって、判ってねぇだろうなぁ)



とんでもなかったはじまり。
今はもう、それすら笑って話せる。


「いのお」

「…ほら言え」

挑発的に上がる口角目掛け、舌を捩じ込む。いつだって無防備の、剥き出しのそこへ噛み付けば、負けじと頭を抱えてきた。

「んっ……ぅ、ふぁ…」

濡れた音に腰の辺りが熱くなる。鼻に抜ける甘い声がまるで、蔓のように絡み付き離れない。

「ぁたってます…けど」

「うん、オマエのせいな」

「言ってろ…ゃ、んぁ」

グリグリ。ユラユラ。

押し付けたら腰が揺れる。

「抱いていい？」

「は？」

「節目なんで聞いてみた」

「なんのだよっ」

笑いながら、キスの合間に押し倒して。

キスを受け押し倒されながら、服の裾に手を掛け。

押し倒しながら、シャツのボタンに指を絡める。

「ねぇいーの？」

ここまでやっといて？しかもソレ、今使うとこ？

「…おっけー」

(やっぱ可愛いわ、コイツ)

(肝心なとこでアホだよコイツ)


ぱさりぱさり、服が散らばる。

出会って二十年。

付き合って十数年。

((あーあ))

「「どこまで続くかねぇ」」

「「……………」」

素肌を重ねて吹き出した。

「あいしてるよーやぶぅ」

「はいはい俺もだよ」



棒読みでもまぁまぁ幸せ。



どう言っても、愛しいってこと。





end.



……………

祝・やぶいの二十周年！

何時にも増して甘い…。

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