もう手遅れ ページ14
ねえ、もう手遅れなのに____貴方はどうして足掻くの?____神威
「神威」
「……」
「濡れたままだと風邪をひくわ…ほら」
タオルを渡すものの一向に受け取らない
渋るのならまだいい、でも何も言わないとなるとコレは……
ガシャワシャ
『 私が拭くしかない 』
「!…ちょっ姉さ_____」
「一向に受け取らない貴方が悪い」
そう言うと押し黙って私にされるがままになった
髪を拭いたはいいけど、乾かさないと風邪をひいてしまう
近くの引き出しからドライヤーを取り出しコンセントに挿した後、ドライヤーの中ボタンを上げた
ヴゥッィン
神威の髪が靡く
長く綺麗なサーモンピンクの髪
私たち姉弟妹の髪は母さん譲り
それが私たち唯一の兄妹と云える証
『姉さん』
呼ばれて「なーに」と返事を返す
『俺、生まれてきて…よかったのかな』
一瞬耳を疑った
この子がそんなことを言うなんて思ってもみなかったから
「どうして…そんなこと__」
膝に顔をうずめていて神威の顔は見えない
でも苦しそうに声を震わせている。
『だってッ
だって…俺たちが生まれて来なければッ、母さん
はずっとッ…生きれたんだ』
この言葉によって全て理解した
どうやら神威は母さんのことを知ってしまったようだ
「…確かにそうね」
「ッ!」
「でもね、たとえ私たちが産まれてこなかったとしても…母さんは長くは生きれないの」
そう言うと困惑とした表情でこちらを振り返った
何故?と言わんばかりの顔をする神威に私は言葉を続けた
「母さんはね、夜兎の故郷である惑星徨安のアルタナの暴走を受けて産まれた変異体。
星を離れない限り死ぬことのない、不死者なの。
どれくらいの間、一人で生き続けて来たのかはわからない。けれど、そんな星にとある一人の男がやって来たの…それが私達の父様。父様は母さんを徨安から連れ出した…」
「!」
「…そう
星から離れてしまえば、不死者である母さんの体は耐えきれない。
惑星徨安から、此処洛陽に移り、暮らす時点でもう母さんは…不死者ではなくなった
つまり_____」
「母さんは…助からない」
「…」
「そういう…ことだったんだ…」
そう言うと神威は押し黙り深く手を握りしめた
・
→続
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歴史クイズ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2022年8月29日 18時) (レス) @page23 id: ce3cc772d9 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - 飴さん» いいえ。誤字などわざわざ教えていただき有難いです。ありがとうございます!最近更新できず待たせてしまっている状態でこちらこそ申し訳ないです。亀更新ですが、よろしくお願いします。 (2018年10月20日 23時) (レス) id: bdf6a0b39b (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - とっても面白いです!あの、生意気で本当に申し訳ないのですが、「停まりゆく者」で「ご注文の粗茶です」というセリフがあるのですが、粗茶の意味は粗末な茶、上等でない茶、という意味です。注文するものではありません。生意気に指摘してしまって本当にすいません! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 2b842d3a3b (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - 山乙女 桜さん» そう言ってもらえると嬉しいです!ありがとうございます。 (2018年7月24日 23時) (レス) id: bdf6a0b39b (このIDを非表示/違反報告)
山乙女 桜(プロフ) - なにこれ面白い (2018年7月24日 18時) (レス) id: c43285d175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金糸雀 | 作成日時:2017年2月25日 18時