小さな神威くんの飼育係

新章 第9話 『回し者』 ページ24

「どこで情報が漏れた
誰の回し者だ？」




と淡々と答える土方に
一人の男がこう口を開く




「ハン、あの女が異世界の女ってのは
噂で広まってるぜ
お前らが女を囲もうが
もっとでかい組織に目ェ付けられちゃ
女はしめーだ。それにもう春雨にも
その話題は行き届いている
いつあの女が連れ去られようが
時間の問題だ」





と一人の男が言う
すると近くにいた総悟が男を蹴りあげ
踏み潰した






「へェ、だからなんだってんだ
どんなでかい組織があいつを連れ去ろうと
なだれ込んで来ても
俺らから、...この俺から奪おうってのかィ？」





とミシミシと悲鳴をあげる男の頭
それに土方は 総悟 と止めに入った







「ひとまずこいつらは牢屋に
ぶち込んどけ。どこの回し者かは
後から尋問する。」






と周りの隊士達に命令を下し
総悟、近藤、土方、の3人だけになる







「困ったもんだな...
まさかここまで情報が漏れてるとは...
今日で何人目だ？」





「26人目でさァ
あいつも随分とモテるようで、
こっちは毎夜大忙しだ」





と頭に手を添えこちらに向かってくる総悟
それに慌てて私は障子を閉め、
ジェンガをもみくちゃにし始める






ガラッ







「...何してんだお前」






『へ？いや、別になんでも！』







とジェンガを一本一本並べ一気に倒す遊びをし始めた私






やばい不自然過ぎたか






と後悔したがもう遅い







「見てたな」






『うげっ』







と速攻バレた







『...ごめん、外で何か聞こえたから
好奇心で眺めただけ。』





と私は正座座りになる






「...で、全部聞いたってわけか」






『...、ごめん
あたしのせいでこうなってたの今の今まで
気づかなかった。私...ここにいちゃいけな




「お前がそう言うと思って
周りの奴らも土方も近藤さんも黙ってたんでさァ
今やお前は俺らの仲間みたいなもん
お前は俺らに守られてればいい
余計な事は考えんなってことだ」





と総悟に言われる






『でもあたしのせいで迷惑かけてるし
みんなが危険な目に合うかもしれない！
そんなの耐えられない！！』





そう思い立ち上がり
部屋を出ていこうとする私に総悟はすかさず
あたしの手を掴み引き止めた






「行かせねェ
守らせろって言ってんだ
俺達は負けねェ
だからお前も信じてここにいやがれ」

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