小さな神威くんの飼育係

新章 第7話 『誰？』 ページ22

"俺が好きなのは"




今確かにそう言った
あの総悟に、す、好きな子がいる？！！！！





「おや〜総悟くぅ〜んもしかして〜？」




とにやにやしながら見てくる万事屋メンバー
プラスアルファで私。




当本人の総悟はというと
下を向き口元に手を抑えてる





ヤベぇ、キレた





と焦る私
ひとまず機嫌取りのため総悟に話しかけようと
顔を覗きこんだ時






『へ』







総悟の顔がとてつもなく赤かった







『て、照れんのー？！！！！』







なんだこいつ可愛いところあるじゃねぇか！！
とあたしまで赤面する





するといきなり彼は
黙ったまま背を向けて行ってしまった






「ありゃあキレたな...
まあ、A頑張れ」






『ええ？！人任せかよ！！ちょっと銀さーん！』






とぎゃあぎゃあ喚けば お前なら大丈夫だ
と頭を撫でられた。







ー
ーー







き、気まずい...





あれから屯所へ帰ったはいいものの
あの総悟に好きな子がいるなんて聞いてから
総悟と何故か気まずい





銀さんの言う通り機嫌は最悪だし
あたしともひとっことも喋らない






流石にそろそろイライラしてきたので
あたしは行動にうつしてみる





夕食を食べ終わり
彼が席を立つ





機嫌が悪いのをみんな分かってか
シーンと静まりかえっている






それにすかさず私も席を立ち
あいつの後をついて行けば土方に止められた






「やめとけ
何に機嫌が悪いのか知らねェが
今のあいつには近寄らねェ方がいい」






危ねぇぞ、と忠告してくる土方には悪いが
あたしはそれを拒否した






『機嫌が悪くてもいいよ
いつもの総悟に戻ってほしいだけ！』






とあたしは部屋を出た






「かーーーっ、いい女だなーあいつ！！！」





とほかの隊長が
頭を抑え、土方があたしの背中を黙って
見ていたのをあたしは知らなかった






ー
ーー






『ちょっと総悟！待ってよ！』






と廊下を歩くあいつに向かって呼びかけるが
あたしの声なんか知らんぷり。
シカトを決め込みずんずんと進んでいく総悟。






あんの野郎いい度胸じゃんかよ！！
と苛立ちすかさずあいつの腕を引っ張った






『何怒ってんの！いい加減その誰も近寄るな
オーラやめたらどうなの？！』





と睨みつける






「...お前には関係ねェって事でさァ
俺に構うな」





と手を振り払われ廊下に立ち尽くす私。
だがそんな事で諦める私ではない





バンッ！

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