小さな神威くんの飼育係

新章 第6話 『散歩』 ページ21

あれから土方と総悟のおかげで
ある程度剣術ができるようになった私



そのおかげもあってか
外の巡回にも連れて行ってもらうことも増えた





『見回りしてくるわ！』




と腰に刀をさし
男物の着物に見を包む、
まあ、男装というやつだ





なぜこんな格好しているかと言うと
それは上司達命令である






女の格好で一緒に歩けば
敵に捕虜として捕まり危険な目にあってしまうかも
しれない。だったら男の格好をしている方が
安全なのではないか、と。






「いいから行きやすぜ
女は支度が長くていけねェや」







とあたしの頭を鷲頭髪し、
総悟と共に町へ出た








ー
ーー






『総悟！お団子食べよ！！』





とあいつの有無を聞く前にずりずりと
店まで引っ張る私、
面倒くさそうな顔しながらも
着いてきてくれるのが総悟だ






『やっぱり似てるなあ...』




と私が1人ボヤくと
総悟はこちらに振り向き不機嫌な顔で私を見つめる






「何の事でィ」




『いや、あたしが前一緒に住んでた子
と似ていてさ。なんか、会いたくなっちゃって』






と団子をかじりながら神威を思い出す
すると総悟は黙ったままずっと私を見つめるばかり






「気にいんねェ」




『は？なに？何だって？』





「何でもねェ」






総悟は席を立ち
1人で行ってしまった






あいつ何キレてんの？！






『ちょ、待ってよ！』






と彼の背中を追った








ー
ーー







「おっ、総一郎くんとAコンビじゃ
ねェか。今日も一緒に見回りか〜？」





と前方から歩いてきたのは鼻ほじりを
やめない銀さん、そして







「税金泥棒ｫー私のAに手出したら
許さないアルからな」






と総悟と睨み合う神楽ちゃん







そして





「ちょっと神楽ちゃん、落ち着いて！」







と、メガネの万事屋メンバーと出くわした







「旦那ァいい加減この糞ガキ
どうにかしてくれやせんかね
毎度毎度俺に文句たれてきやがって
うざったくてしょうがねェ
もっと好きな男になら
それ相応の振る舞いってのがあんだろうが」






と総悟が言うとその言葉に突っかかっていくのが
神楽ちゃん







「誰がおめーを好きだってェ？！
誰もお前の事なんざ好きじゃねぇヨ！
お前こそあたしの事いっつも文句たれて
るだろうがァ！」





「俺が好きなのはお前みたいな
いき過ぎた野蛮人じゃねェでさァ」






「え」

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