小さな神威くんの飼育係

第15話 『さようなら』 ページ15

『行かないでよカムイ！！』




と彼に懇願する
だけど神威は小さな首を横に振った




「俺の部下の事だから上司命令なら
嫌々ながらきっちりこなすタイプなんだ
帰らなきゃならない」





と言うカムイの横でピピピピと時計が鳴り出す。
それを尻目に、彼はこちらを向いて
残酷な言葉をわたしにはく。






「夕暮れ時3分前だ」






『！！』







どうしよう、神威が行ってしまう
悲しみと不安で沢山で、言葉が出てこない






涙がこぼれる一方で黙っていると
神威が私の元へ近づいてきた







「泣くなよ
俺だって嫌なんだ」





と私の涙を拭ってくる。
それに涙がますます溢れてきて
神威をそのまま両手に包み込んだ
するとその時






「...そろそろだ」






神威の体が青白い光に包まれ始める






どうやったら彼を呼び止められるんだろう
なんてぼんやりと光を長めながら思う





『神威...、ありがとう、
楽しかったよ。...また会える？』






そう聞いたわたしに彼は優しく微笑み





「...会えるさ
俺は宇宙(そら)にいる
いつか必ず会いに来なよ」





そう言って彼は眩い光に包まれ消えた






神威...、もう、会いたいよ







脳裏に彼の姿がよぎり、
そのままあたしは意識を失った








ー

ーー







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どこからか声が聞こえる






"これからもかむいと一緒に居れますように！"






あれは確か、流れ星に願った時の私だ







願いは叶わなかったけど。









...ああ、眠い、









私はまだ現実に戻りたくない。
神威が居ないあの部屋なんて
静寂に包まれているあの部屋になんて
帰りたくない。








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ーー








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" そなた願い、叶えよう "









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