小さな神威くんの飼育係

第13話 『容赦しない』 ページ13

『かむいTUTAYAいくぞ！！！』




の一声で始まったホラー鑑賞会。もちろんホラーを選んだのは
私ではなくかむいだ





『っっうぁぁぁぁあ！！！！！？』





と近くにあるクッションを抱きしめながら
叫びまくる。私の肩に乗るかむいは物凄く
うるさそうに耳を塞いでいた





「これのどこが怖いって言うんだよ
ただの作り物じゃないか」






と面白くないことまで言ってくる






『でも何でだろう。ホラーを見ると
無性に人に抱きつきたくなるんだよね
こうゆうときにかむいがもう少し大きければ
な〜なんて。』





とケラケラ笑っているとかむいは
ふーん と少しなにか考えている様子だった






『ひい！！！ うわっ！！！！』






「ほんと怖いなら見るなよ」






なんて呆れ顔で私を見るもんだから
すかさず






『怖いからこそ楽しめるんだよ！！！』







と言っといた。







するとその時、プルルルルル
プルルルルル






と携帯の着信音が鳴る






『ん？げっ、』






スマホの画面に映し出されているのは
悠馬、の文字が。






「誰だいこいつ」






とかむいが私を見てくる。
それに私は そいつしつこくてさ
とげんなり答えた瞬間、ピッと言う音が聞こえた






『ん？ピッ？』






「もしもし。なんか用？」





ちょ、かむいお前なにしてんの？！！！





『ちょ、ちょ！！！！』






と携帯を奪い返そうとしたが
かむいに人差し指でしぃーとされてしまった





「誰だって？そんな事１つしかないだろ
その知能の低い頭で考える事だね
ああ、それと …」





と淡々と喋るかむいに私は
慌てまくりでもう聞こえないふりをしだす。




耳を塞いではい、もう聞こえない！！！！！！





なにも聞こえない中目だけで情報を得るが
かむいが何を喋っているか皆目見当もつかない






なにやら真剣な顔でぶつくさ言ってるようで
いつものまん丸な目が鋭くなってる




…こえーよ





そして通話終了ボタンを押して
終わったようだ







『へ、変な事話してないよね？』






と恐る恐る聞く私に 大丈夫だよ
とケラケラ笑う上機嫌のかむい
それに少し不気味に思いながらも
ホラー鑑賞を続けて見て今日1日が過ぎて言った






ああ。そういえば
あれから、
悠馬からの着信はない。
本当にかむいは何て話していたんだろう。って
それが少し気になった。

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