＊27 猪狩 ページ28
＊
『.......やだ、って思いました』
猪狩「ほら、それが答えじゃん」
『えっ？』
猪狩「織山が他の女の子に触られてるのを見て、Aは嫌だって思ったんだろ？」
『......はい』
猪狩「つまり、嫉妬したんだろ？」
『しっと……』
しっと……しっと………
嫉妬！？
猪狩「……その顔本当に無自覚なんだな(笑)」
私が織山君に嫉妬。
パワーワードすぎる…。
『…猪狩君、嫉妬ってなんでするんですか』
猪狩「それは自分で考えなきゃなー。俺が言ったら面白くねーじゃん」
『ねえぇぇなんでですか知ってるなら教えてください！！』
猪狩「頑張れ若者よ！」
『猪狩君そのセリフ言うには多分まだ早いです』
『もぉ、教えてください猪狩さまぁ〜……っわ！？』
猪狩君の腕を掴んでお願いしていると、突然後ろから襟を掴まれグイッと後ろに引っ張られた。
この引っ張り方は………
心当たりがあって後ろを振り向くと、予想通りの人物。
『だから襟引っ張んないでって何回も言ってる
じゃん織山君！！』
織山「Aの襟の高さがちょうどいいからじゃん」
『だから首締まるっつーの！！』
織山「それはAの首に肉がついてるからでしょ」
『……猪狩君、この後輩のどこが可愛いんですか』
織山「おい💢」
猪狩「かわいいじゃん、今のとか(笑)
………織山、お前もわかっりやすいなぁ」
織山「………すいません」
猪狩「ま、がんばれ。お兄ちゃんは見守ってるから」
『…？』
猪狩君と織山君が何の話をしているのか全くわからないけど、猪狩君が織山君に優しい顔を向けているのはすごく伝わった。
猪狩君、本当に後輩おもいで優しい人なんだな。
織山「あ、今日ご飯連れてってくれませんか？…ちょっと舞台のことで打ち合わせしたくて、」
『あ！じゃあ私も連れてって欲しいです！織山君との掛け合いのタイミングどうすればいいか猪狩君にも聞こうと思ってたんで！』
猪狩「お、じゃあ行こうか……あー待って」
「んー……」と何やら考え出した猪狩君は、私と織山君を交互に見て、ニヤッと笑って口を開く。
猪狩「ごめん、俺明日早かったわ。2人で行ってきて」
『えっ！！』
織山「え？猪狩君明日お昼からって……」
猪狩「バカ、いいから行ってこい」
織山「あ…はい」
『えぇ……本当にダメなんですか猪狩君』
猪狩「ごめん、また今度行こ〜」
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作者名：にしか | 作成日時：2023年1月3日 13時
