#06-2 YG ページ23
「そうだ、ニュースで見たよ。またカムバックが決まったんだって？」
YN「そうなの。この間カムバックしたばかりなのに。それでね、また髪色が変わったの。こんなに何回も染めてたら、わたしの髪、いつかなくなっちゃいそう」
「大丈夫。アボジたち見てたらわかるだろ、ミン家は毛根が強い家系だよ。それより、今度は何色に染めたの？」
YN「ふふ、ナイショ」
「カムバックを楽しみにしてるよ。…随分忙しいみたいだけど、ちゃんと眠れてるか？ご飯は食べれてる？」
YN「うん、食べてるよ。夜は、」
不意にユナが言葉を切った。
「どうした？」と訝しげに尋ねたユンギの耳に、かすかに鼻を鳴らす音が聞こえた。
反射的に眉を寄せたユンギは、ユナの名前を呼ぶ。
YN「オッパ、あのね」
「うん」
YN「、夜が、来ないの」
「、ん？」
YN「ううん、夜は来てるんだけど…ちょっと目を閉じたらもう朝で、ずーっと朝で。いつまでたっても夜が来ないの」
「、ユナ、休めてないの？」
YN「、わかんない。LIVEも撮影も、全部楽しいのに、早く夜が来てほしいって、いつも思っちゃう」
「変だよね」と不安気に呟くユナに、首を振る。
「変じゃないよ。ユナ、それは疲れが溜まってるんだよ。お前、ちゃんと休めてないんだろう。…今宿舎？オッパが迎えにいくから、オッパの家に暫くおいで」
YN「アニ、だめだよ。みんな頑張ってるんだから、わたしだけ、オッパに会いに行けない」
「ユナ、」
YN「へーき。ちゃんと眠れてはいるの、それはほんと。ただちょっと、…ちょっと、疲れてるんだと思う」
「ユナ。…こんなこと、あまり言いたくはないけど…お前は他の人より体には気をつけないといけないんだから、限界まで頑張るな」
YN「…大丈夫、まだ、大丈夫」
涙まじりの言葉には何の説得力もなくて。
でもユナの頑固さも、同じ職業についているからこそ、ユナの一存で色んなことが決められる訳ではないこともわかっているから。
家族としてユナを無理にでも休ませたい気持ちと、同じプロとして、ユナの気持ちを尊重したい気持ちとが、ユンギの中でせめぎ合う。
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作者名：kamome | 作成日時：2023年1月16日 17時
