信じ続けた純粋さ ページ48
結局日曜日の朝に起きた。
A「流石にお腹が空いたわね……」
昨日は何も食べてない。
そう思ってお腹を摩ってたらガチャと扉が開いた。
櫻井「あ！起きた？心配したよ全然起きないから。食欲ある？」
手に持っていたのは美味しそうなお粥だった。
A「凄くお腹がすいたわ。」
そう報告したら苦笑された。
櫻井「よかった。食欲なかったらどうしよかと思った。シェフがね丸一日寝てたからって作ってくれたよお粥。温かいうちにたべてね。」
はいっとサイドテーブルに置かれた。
置いたら出ていくのかと思ったら近くの椅子をズルズルと引っ張って座っていた。
櫻井「食べないの？あ！もしかして猫舌？」
A「いえ、そういう訳では無いのだけど……。その……まじまじと見られながら食べるというのはなんと言うか緊張してしまうわ。」
櫻井「あ、それもそうか。じゃあどうしようかな……。じゃあ窓から外を見てるよ。」
室内にはカチャカチャと私のご飯を食べる音のみ響いていた。
気まずい。
櫻井「……会長はなんで会長になったの？」
A「え？」
櫻井「いや、ふときになっちゃって。だめ？」
外を見たままそう聞いてきた。
A「いいわよ。でもつまらない話よ。」
櫻井「会長とお喋り出来るならなんでも楽しいよ。」
A「そう…私の家での扱いはもう知っているでしょう？小学生に入る前の時にねお母様に言われたのよ。1番にならなくてはいけないと。1番にならなれば皆から認められると言われたわ。その時幼稚園に通ってたけどその時なりに考えたのよ。きっと1番になれば私にも関心が向くはずって。でも両親はその皆の中には入ってなかった。今生徒会長になったのもきっと心のどこかでまだ信じていたかったからでしょうね。きっと私が総理大臣になっても何になっても関心が向くはずないのに。ね、面白くないでしょう？演説ではあんなに生徒のためにとか言っておきながら結局はエゴなのよ。きっと私以外に生徒会長としてのリーダーシップを持った人間はいたわ。」
翔はゆっくりこちらを向いた。
櫻井「…なんで会長の良さをわかってくれないんだろうね。こんなに親を信じても親は子を信じてくれないなんて悲しい事は起きちゃいけないんだよ。」
A「多分…いえ、絶対あの人達は私を言うことを聞く執事や犬と同じ扱いなのでしょうね。」
櫻井「そんな悲しい事言わないでよ…。」
気まずい空気のままその日は終わり皆帰って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るーちゃぴ | 作成日時：2021年11月16日 15時
